香港―返還20年の相克

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香港―返還20年の相克

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  • サイズ B6判/ページ数 264p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784532357337
  • NDC分類 302.223
  • Cコード C3033

出版社内容情報

中国への返還から20年、否応なしに本土との一体化が進む香港。元植民地に対する本土の視線、理想と現実の隔絶から将来を見通す。

内容説明

「一国二制度」の幻。返還は成功だったのか。あの輝きは今どうなったのか。中国に翻弄される東洋の真珠・香港の深層に迫る。

目次

序章 愛される都市
第1章 香港返還前史
第2章 共存共栄関係の終焉
第3章 形骸化する一国二制度
第4章 累積した経済政策の誤り
第5章 迷走する民主化と軽量化する行政長官
第6章 劣化する国際経済都市
終章 竜宮城のリニューアル

著者等紹介

遊川和郎[ユカワカズオ]
亜細亜大学アジア研究所教授。1959年広島県生まれ。東京外国語大学中国語科卒。1981‐83年上海復旦大学留学。1991‐94年、外務省専門調査員として在香港日本国総領事館で香港・中国の経済関係を中心に調査研究。(株)日興リサーチセンター上海駐在員事務所長、在中国日本国大使館経済部専門調査員、北海道大学准教授、同大学大学院教授等を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ののまる

12
これ、一番わかりやすい。本書出版以後、雨傘運動の学生指導者たちは実刑判決になってしまったし、ひとりは台湾に亡命希望、選挙で当選した6名(うち2名は当然だけど)も、議員資格剥奪になった。香港、どうなっていくのか。。。2017/09/04

BLACK無糖好き

11
返還後、居住資格をめぐる法廷闘争で香港が中国の意に沿わない司法判断をした際に、中国が「全人代による司法解釈」という手段で介入した事が前例となり、香港政府も軋轢を回避するため、自身の判断を控えて中国側の意向に委ねようとする。このような法の支配の崩壊から一国二制度も徐々に形骸化していく。中国の経済発展により香港の利用価値も相対的に低下し、逆に香港経済は中国に大きく依存する構造になった。香港の国際公共財としての価値も中華帝国の野望に飲み込まれて行くのだろう。不動産問題は香港政府の対応がお粗末との印象。2017/08/22

梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」

7
香港返還に関する英中交渉が始まった頃から、返還後20年に至るまでの中英政府の政策が語られた本である。2019年のデモについてはまだ触れられていないが、なぜこれが起こったのかの背景については、十分に推察できるだけの情報が掲載されている。香港を知ろうとする人は読んだ方が良い一冊である。2020/03/03

スプリント

5
香港は第2のシンガポールになると予想していたのですが、現実は中国の政治的・経済的圧力の下にあって発展しているとはいえない状況にあります。返還から現在に至るまでの経済・政治的な変遷を知ることができます。2017/08/26

アキ

4
香港がアヘン戦争でイギリスに割譲され、歴史の舞台に登場してから、1997年に中国に返還され、50年間は1国2制度を守るという約束が、この20年経って、徐々に中国共産党の思惑になってきている。独立という選択がない(逆に軍隊というものがないために経済都市として発展してきた)この地域に、中国と諸外国との貿易の窓口であった20年前と違い、現在は中国の一地域として臣下に下った香港に明るい未来はないように思える。むしろウイグルやチベットなどの少数民族を蹂躙してきた中国指導部にそんな気持ちは全くないことを知るべきだろう2017/07/29

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