大過剰―ヒト・モノ・カネ・エネルギーが世界を飲み込む

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大過剰―ヒト・モノ・カネ・エネルギーが世界を飲み込む

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  • サイズ B6判/ページ数 224p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784532357245
  • NDC分類 333.6
  • Cコード C3033

出版社内容情報

不足を前提としていた経済がエネルギー、人、マネーの過剰に飲み込まれようとしている。「大過剰経済」を解明し、日本の戦略を示す。新興国失速、原油安、大量難民――。世界経済で大きな変化が立て続けに生じている背景にあるのが、いままで不足していたヒト、モノ、カネ、エネルギーがすべて過剰に転じたことである。
中東の難民を見るまでもなく、資質を持っている人々が百万人単位で先進国に押しかけている。中国が「世界の工場」となって以降、安価で大量のモノが世界に氾濫するようになった。マネーも過剰となって、借り手優位となるマイナス金利の広がりの背景ともなっている。さらに、エネルギーも過剰となっているし、人々の職業でさえ多くがAIで充足される方向にある。
21世紀世界は「大過剰経済」に直面している。一方トランプ次期大統領は不足時代の論理に従って巨大な需要喚起で米国経済を立て直そうとしている。世界経済は大きなねじれに直面する。

しかし、大過剰時代にあっても依然不足する財・サービスは多い。また、AIといった技術の急速な発達は、エネルギー革命や社会変革とも相まって第四次産業革命を招来しつつもある。世界経済は、モノからコトが牽引する時代に向かっており、高度化された新たな社会システムが牽引する時代に向かっている。
一方、日本経済は原油安、金融緩和、円安の恩恵があっても依然停滞しているが、世界経済のゲームのルールが変わることは、日本に新たな成長の可能性をもたらしている。モノからコトへのシフトは需要が飽和している市場でブレイクスルーを起こす可能性を高めている。第四次産業革命を先取りするソサイエティ5.0構想も打ち上げられた。
本書は、世界経済のこれから10年を見据え、日本の立ち位置・選択はどうなるかを明らかにするもの。筆者の中島氏はバランスのとれたエコノミストとして高く評価され、WBSなどでわかりやすい語り口で好評を博している。

序 章 疑われる世界経済の「常識」

第1章 モノが余る時代

第2章 世界で流動化する人材

第3章 史上初のマネー過剰

第4章 エネルギー過剰時代

第5章 行き詰まる世界経済

第6章 世界経済ブレイクスルーの方向

第7章 日本経済、最大の逆転策

中島 厚志[ナカジマアツシ]
経済産業研究所理事長
1952年生まれ。75年東京大学法学部卒、同年日本興業銀行入行、調査部主任部員、産業調査部副部長、パリ支店長、パリ興銀社長などを経て、2000年調査部長、03年みずほコーポレート銀行執行役員調査部長兼みずほ総合研究所執行役員チーフエコノミスト、11年より現職

内容説明

リーマン・ショックを機に過剰供給に転じたヒト、モノ、カネ、エネルギー。不足を前提とした従来の経済の議論はもう通じない。「過剰の時代」を踏まえないと、新興国の失速、イギリスのEU離脱、トランプ政権誕生など世界経済の波乱要因をストーリーとして理解できないのだ。日本にどのような逆転のチャンスがあるかも解明する新しい経済論。

目次

序章 疑われる世界経済の「常識」
第1章 モノが余る時代
第2章 世界で流動化する人材
第3章 史上初のマネー過剰
第4章 エネルギー過剰時代
第5章 行き詰まる世界経済
第6章 世界経済ブレイクスルーの方向
第7章 日本経済、最大の逆転策

著者等紹介

中島厚志[ナカジマアツシ]
独立行政法人経済産業研究所理事長。1952年生まれ。75年東京大学法学部卒、同年日本興業銀行入行、調査部主任部員、産業調査部副部長、パリ支店長、パリ興銀社長などを経て、2000年調査部長、2003年みずほコーポレート銀行執行役員調査部長兼みずほ総合研究所執行役員チーフエコノミスト、04年みずほ総合研究所専務執行役員調査本部長、11年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まゆまゆ

10
リーマンショック以後、世界経済は不足の時代から過剰の時代へ。新興国による輸出主導の経済成長は限界を迎え、人材は流動化。GDPとマネーサプライが逆転するほどのカネあまり。ただ日本はまだグローバル化の余地は十分にある。そこに成長を求めてもいいが、来る超スマート社会への経済構造改革とイノベーションこそが日本成長のカギである。2017/06/20

犬養三千代

7
ヒト・モノ・カネ・エネルギーか過剰になった世界経済の解説。 アメリカのシェールエネルギーの可能性を重要視しているなと思った。 スウェーデンとシンガポールを手本とする考えだが、日本は無理のように思う。 人材育成が鍵となるのは当然だが大学無償ではない。 世界経済というより先進国の生き残りを模索しているのはその他の視点が欠けているように感じた。2017/11/18

トラッキー

4
ヒト、モノ、マネー、エネルギーの過剰が今日の世界経済の行き詰まりの根源にあるとする分析は一定の説得力を持つが、その更に根元である需要不足や格差社会の広がりなどに目を向けないと、解決策を誤る危険がある。今後の打開のカギがICT を活用したスマート社会実現というのも経産省の宣伝のようで実感が湧かない。本当にスマート社会で雇用や所得が増えるのだろうか?疑問だ!2017/04/20

父さん坊や

3
せっかく読んだのですが、印象に残らなかった。やはり普段から楽に読めるものを斜め読みする癖がわたしの側にあるからでしょう。内容はしっかりしているので、もう一回読むべきだな。読んでためになるのは実はこういう本。2018/09/02

ponte

2
以下備忘録。 ・ヒト・モノ・カネが完全に自由移動となれば、ベストパフォーマンスで活躍できる国や地域に資源が集まるのが合理的である。 ・先進国を中心に世界経済が、新興国の大きな輸出供給能力増加を吸収できなくなっている姿である。そのため、輸出主導型経済成長モデルが見直される局面が来ている。 ・世界経済が成長を遂げるには、先進国がサービス貿易で差別化できること、移民などを抑えるため新興国が経済成長できること。先進国は、今までと異なる財やサービスを生み出して、全く新しい需要を作り出す必要がある。 2017/05/02

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