内容説明
関税以外の分野こそ重要だ!合意で新たな時代が始まる!国際経済学の第一人者が、TPP合意の背景、意義、内容、今後の影響など、すべてを解説。
目次
序章 TPP 新たな時代の始まり
第1章 TPPの衝撃
第2章 経済連携協定のコスト・ベネフィット
第3章 経済連携協定についてより深く理解する:グローバルトレンドの視点
第4章 TPPの政治経済学
第5章 TPP交渉の焦点:決着によって何がどう変わるか
付録1 合意されたTPP協定の主な内容
付録2 総合的なTPP関連政策大綱
著者等紹介
伊藤元重[イトウモトシゲ]
東京大学大学院経済学研究科教授。1951年生まれ。東京大学経済学部卒業。ロチェスター大学Ph.D。専門は国際経済学。ビジネスの現場を取材し、生きた経済を理論的な観点を踏まえて、鋭く解き明かすことで定評がある。政府の経済財政諮問会議民間議員などを兼務。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」コメンテーターとしても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
35
通商交渉で重要なのは、国内の産業構造を変え、産業を刺激し、国民や生産者の思考を変えること(3頁)。しかし、誰のため? 国益って何なのかとも思える。アメリカ帰りのエコノミストで、転向したのは宇沢弘文、中谷巌。かぶれているのは、伊藤元重と竹中平蔵。この違いは大きい。TPPでは宇沢先生と伊藤先生の喧嘩を見て見たかった。TPPが重要なのは関税以外の分野(21頁)。日本の輸出拡大で重要なのは、旧来製品以外で輸出が大幅に伸びること。輸出構造の変化が起きる点(80頁)。2016/04/12
ミッキー
1
明解な分析を期待していました。メリッツやグラビテイといった新しい知識には満足。全体像把握にも満足。読みやすいのが良かったです。誰かに書いてと言われたのだろうか。2016/06/21
yuno
0
TPPの真実、というよりは、国際貿易論と自由貿易・経済連携協定の歴史的背景を勉強することで、TPPの理解に必要な基礎知識を身につけましょう、といった本。TPPそのものに関する記述は、だいたい3割くらいでかなりあっさりしていて物足りなかった。論調は賛成派で、大きな視点では確かにそうだと思うのだけど、反対論の多くは細かい論点にこそあると思うので、そのあたりの反論まで欲しいところ。タイトルを変えて、TPP入門くらいにしておくべきだった。2016/11/17
律
0
前にたまたま公演聞いたことがあって面白かったので読んでみることに。文章は分かりやすかったです。凄い人だったんだなぁ。2016/05/22
さとる
0
ちょっと違うなと思ったのは交渉の裏側のストーリーを期待してたからかな。☆TPPの問題を考えるためには農業関係者だけでなく国民全体の目線で見ることが重要。高関税を撤廃することで消費者が得られる利益は,保護を撤廃されることによって生産者が被る被害よりも大きい。☆メリッツ効果。多様な生産者が存在するという前提があれば,自由化すれば農地などが競争力の高い生産者に集中していき,農業は全体として以前より競争力を増す。☆仰ってることはわかるんですが,田舎で農業やってる父親聞いたら怒るだろうなあ。2018/04/20