内容説明
債務にあえぐ日米欧先進国が陥るのは、インフレか、停滞か、デフォルト、そのいずれかだ―。優れた金融ジャーナリストが負債とマネーの歴史をもとに解き明かす、国家債務危機の恐るべき深淵と、その将来。
目次
マネーの本質
ポローニアスを無視して
金という選択
マネーと恐慌
ドルとともに踊る
紙の約束
バブルが弾けるとき
濡れ手で粟
危機が始まる
リスクなし、とはいうものの
債務を後世に残す
勘定を支払うとき
新秩序
著者等紹介
コガン,フィリップ[コガン,フィリップ][Coggan,Philip]
20年以上にわたりフィナンシャル・タイムズ紙にて記者を務め、同紙の名物コラム「LEXコラム」執筆者やパーソナル・ファイナンス担当編集者、経済学担当記者を歴任。現在はエコノミスト誌でキャピタル・マーケット担当編集者を務める。2009年には、優れた経済ジャーナリストに贈られるハロルド・ウィンコット賞のシニア・フィナンシャル・ジャーナリスト賞を受賞。同年のビジネス・ジャーナリスト賞でベスト・コミュニケーターに選出された
松本剛史[マツモトツヨシ]
1959年和歌山県生まれ。東京大学文学部社会学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
5
「人生の大切な時期に、人は借金をする」(1ページ)で始まる本書。マネーの本質は、権力の座にある人間の気まぐれで不安定(25ページ)。大体変動相場制も基軸通貨の都合(貿易赤字や資本移動の許容210ページ)。マネーは交換媒体で価値貯蔵(57ページ)。商人は信用なしには存在しえず(78ページ)。蛸壺発想では倒産だ。住宅バブルを阻止するのは困難(196ページ)。豊かな国では子供は経済的負担(300ページ)。納得。J.K.ガルブレイス『ゆたかな社会』は参考文献として推奨されているのは合点(396ページ)。紙幣の怪。2013/01/14
メルセ・ひすい
4
★5 貨幣のルーツから初心者に向けての解説…金と銀の貨幣のルーツ 銀行券の発生 仏革命前の初めて紙幣を使ったジョン・ローの実験。稀代の経済学者ケインズのブレトンウッズ協定の果たした役割。あくまで債権とマネーを中心として国際金融を古今東西の文献を元にして解説している。特に負債の本質は必読のテーマである。国家の債務は必ず経済危機を生む。行き着く先はインフレかデフォルトか、長期停滞だ。敏腕金融記者が古代以来の債務とマネーをめぐる歴史を振り返り、金の裏付けを失った現代のマネーと債務危機の宿命、未来を描く。 2013/02/13
人生ゴルディアス
2
負債とインフレをめぐる話。金を根っこに置いた経済は拡大しにくいが、インフレは自動的に諫められる。金鉱山(か銀鉱山)が発見されない限り、経済は貨幣と信用の不足によって拡大しない。現代がこれほどまでに発展したのは不換紙幣にしたからだが、それは必然的にインフレを伴う、みたいな話を延々としてくれる。結構楽しいが、空売りに注釈が入らないとならない読者が本書を理解できるとは思えないんだが…。あと、リーマンショックの説明でたびたび違和感がある。リーマンはあえて潰したんじゃなくてどうしようもなかったのだ。2019/04/03
koji
1
類書を多く読んでいるので、目次と日本に関する記述(P348~349)と第13章「新秩序」のみ読みました。40年間の経済成長の歪を「債務危機」で現した点や米国の対抗軸に中国を置いている点に目新しさは感じません。結論も悲観的です。マネーの歴史を知りたい方にお勧めします。2013/08/14
メルセ・ひすい
1
★52013/05/24
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- 和書
- 二人だけの島