日本林業を立て直す―速水林業の挑戦

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  • サイズ B6判/ページ数 248p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532355340
  • NDC分類 651.7
  • Cコード C3033

内容説明

日本の森は、今もっとも充実した状態にある。しかし、木材価格の長期低落によって、林業家の平均年収はわずか26万円に過ぎない。林業の輝きを再び取り戻すには、他産業と同様、絶えざる創意工夫とともに、「森は命の集合体」という視点に立ち返るべきである。日本林業のトップリーダーが、森と山と林業への熱き思いを語り尽くす。

目次

第1章 千年の森を訪ねて
第2章 速水林業九代目に生まれて
第3章 速水林業のやり方
第4章 生物多様性と経済性を両立させる
第5章 ヨーロッパ人の森、日本人の森
第6章 日本林業の行くべき道
第7章 誰が森を壊しているのか
第8章 森と人々の関わりを取り戻す

著者等紹介

速水亨[ハヤミトオル]
速水林業代表取締役。(株)森林システム代表取締役。日本林業経営者協会会長。1953年生まれ。慶応義塾大学法学部卒業後、東京大学農学部林学科研究生を経て、家業の林業に従事。1980年代後半から高性能林業機械による作業効率化に取り組み、2000年2月には所有林1070ヘクタールについて世界的な森林認証システムであるFSC認証を日本で初取得するなど、先進的な経営で知られる。2001年朝日新聞「明日への環境賞」森林文化特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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もえたく

14
300年後に使う木材を作るために育林にも取り組んでいる紀伊半島にある速水林業の話。紀州藩は江戸へ建築材料を送って財政を潤していたというから逸話から日本で流通している安いコピー用紙はインドネシアで違法に伐採された木から作られているといった話まで多彩で興味深かったです。森を愛するエピソードが満載で、その森を見たくなりました。2017/02/15

tochork

5
林業は300年先を考える。世代単位で森を引き継いでゆく。後世にゆだねる森作り。一方で林業経営は厳しい。年収40万だとか。この産業は現在は補助金によって生きながらえている。稼げる高級材(樹齢が長く、適当に育った樹)と定収をもたらす多くの木材を同時に生み出してゆく。稼ぎを出しつつ「100年の森」を残してゆく。/林業の必要性、FSC認証などの例から理念を語りつつ、後半では環境問題にも踏み入る。発展は森林資源を代償に成立している。森を守れ、と。日本一の林業人がうったえる。2012/10/07

夜郎自大

4
欧米での森林ファンドの現在の状況を調べてみようと思う。FSC制度を強く推奨している。気持ち面で立て直す、と言っているように見える。具体的な見通しを知りたい。2025/02/08

塩崎ツトム

4
先に読んだ林業の本は机上の空論そのものだったけど、こちらは実際の林業経営者の本。兎にも角にも収支のバランスが大事だというのが林業でも当てはまるのだけど「下草刈りで得られる増収より人件費の方が高いから控える」というのは目から鱗だった。それと機械化や林道の整備を行うにあたり、投資を最大限に回収できるようにする細かい工夫も大変勉強になった。どの業界にも、万病を癒す特効薬や銀の弾丸なんてないのだ。2019/12/04

井上岳一

4
師匠の本だけに読むまいと思っていたが、必要に駆られて読むことに。 20年前に教わったことと、基本は変わらない。でも、やっぱりちゃんと進化している。良い本です。林業に関わる人は必読でしょう。2015/01/30

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