内容説明
経済危機の次に来るものは―深まる実体経済の悪化。世界は再び大破局に向かうのか。1930年代との違いはどこにあるか。歴史的・構造的視点から現代世界の見取り図を示し、「知識基盤」がカギを握る新たなパワー原理を提示する。
目次
序章 「新・危機の二〇年」―一九八九‐二〇〇九
第1章 金融危機の国際政治学―大破局は避けられるか
第2章 「多極の時代」の歴史的検討―超長期の趨勢と循環
第3章 世界システムを動かす新たなパワー原理
第4章 オバマの抱えるジレンマ
第5章 成長と危機に揺れるアジア
終章 新しいリーダーシップ
著者等紹介
田中明彦[タナカアキヒコ]
東京大学大学院情報学環教授・東洋文化研究所教授(兼任)。1954年生まれ。東京大学教養学部卒業。マサチューセッツ工科大学大学院博士課程修了(Ph.D.政治学)。専門は国際政治学、東アジアの国際政治。著書に『新しい「中世」』(日本経済新聞社、サントリー学芸賞受賞、日経ビジネス人文庫所収)、『ワード・ポリティクス』(筑摩書房、読売・吉野作造賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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脳疣沼
3
口述したものだけあって読みやすい。著者は親米保守に分類されるが(そして小林よしのりみたいな奴らに「米国の犬、ポチ」などと罵倒されるのだろうが)、日本外交におけるアメリカの重要性は大きいので、現実的な戦略を考えれば「親米」にならざるを得ないだけ。さて、国際的なコンセンサス作りでは、それを作るインテリの集いみたいながあり、ファッションの流行を決めるがごとくの感じがあるらしい。日本はそういう所に食い込むのが下手そうだ。本書は2009年で古いが、オバマ政権を経てもたいして状況は変わってないので、今でも有用。2017/03/09
静かな生活
1
今読むといろいろな意味で面白い。重要なのは「関係」であって「内実」は棚上げしても良いと読めた。この数年後に三浦瑠麗言説に受け継がれる関係主義だが、果たして日米間の良好(関係)と〈トランプのアメリカ〉的な極右化現象(内実)が棲み分けられるかは論点になるだろう。2020/05/31
Studies
1
面白いし、発送も素晴らしいが、現実世界に適合していない。東大系の教授にありがち!!!2018/01/13
Sanchai
1
著者の考えていることを知るにはいい本。執筆に時間がなかったので、長時間インタビューをもとにライターが編集したものなのだろう。書かれたタイミングがオバマ政権第1期の発足直後で、日本の方も民主党政権が発足する前なので、ちょっと古さを感じさせる内容だが、残念なことに著者が重視している中国・インドの国際社会への「復帰」に対して、今の安倍政権が対中国で取っている対応は、著者が日本の進むべき道とは真逆の方向に向かっているような気がしてならない。2014/01/02
メルセ・ひすい
1
15-117★不況は短期 単独主義から協調主義へと転換をはかる米国オバマ政権。目前の危機に各国はいかに対処しうるのか。歴史的・構造的視点から現代世界の見取り図鳥瞰する。メルセ!長期インド期待 赤い中国の協力 ?? 見誤っている☆不況は長期化80年~100年の長期 中国共産党は5~10年で崩壊する!日本の科学技術力に期待? 当然だが文化面でのリーダーシップが要点だっ!米国はパワーの終焉は確実 普通の国に向かうが残照は軍需産業と軍事力。もてあますのでは。中国のパワーは13億人で膨大であり世界の大きなプレゼンス2012/01/24