内容説明
日本の経済は、なぜ停滞から脱出できないのか―その答えを見つける手がかりは、ある銀行の歴史にあった。バブル期に発生した巨額の不良債権を抱えて破綻し、外資へ売却された長銀(日本長期信用銀行)、現・新生銀行である。本書の第一部では、長銀が不良債権の泥沼にはまり込み、懸命の努力もむなしく破綻した経緯を再現する。第二部では“ガイジンの襲来”と恐れられた起業再生ファンドリップルウッドが長銀を買収した舞台裏を描く。のちに激しい批判を浴びた「瑕疵担保条項」成立の真相も明らかにする。第三部では、アメリカ流の経営手法を大幅に取り入れた新生銀行が、「そごうショック」や金融庁との闘いを乗り越えてIPO(新規株式公開)を果たすまでの歩みを検証する。英フィナンシャル・タイムズ紙の元東京支局長が、日米政財界の有力者ら100人以上の証言をもとに書き上げた注目の大作。
目次
サムライ銀行家たち
阻まれた改革
狂乱金融
一兆円の男
バブル崩壊
高橋の復讐
大野木の選択
スイスの賭け
スケープゴートと一粒の麦
アメリカン・ドリーム〔ほか〕
著者等紹介
テット,ジリアン[テット,ジリアン][Tett,Gillian]
1967年イギリス生まれ。ケンブリッジ大学で社会人類学を学ぶ。89年から約1年半、フィールドワークのために当時ソビエト連邦だったタジキスタンで過ごす。ちょうどこの時期はソ連崩壊の前夜で、フィールドワークのかたわら、BBCやフィナンシャル・タイムズ紙に、共産党支配の衰退やイスラム勢力の台頭に関する記事を書き送った。これがジャーナリズムの世界に身を投じるきっかけとなり、ケンブリッジ大学に戻って博士号を取得した後、フィナンシャル・タイムズに入社。ロンドン本社勤務をへて97年に来日し、当初は銀行業界を担当。2000年からは東京支局長となる。02年、休職して『セイビング・ザ・サン』を執筆した。ロンドン在住
武井楊一[タケイヨウイチ]
翻訳家。1951年生まれ。早稲田大学商学部卒。商社勤務などをへて翻訳家となる
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