内容説明
どん底から最高益へ沈みかけた巨艦・日立を再生させた立役者が、経営改革の要諦と自身の半生を語る。
目次
序章 100年企業の改革
第1章 日立の経営改革
第2章 痛みを伴う改革の実践―私の経営論
第3章 受け継いだもの
第4章 私と日立
第5章 よい人生とは
著者等紹介
川村隆[カワムラタカシ]
日立製作所相談役。元取締役会長。1939年、北海道生まれ。62年東京大学工学部電気工学科を卒業後、日立製作所に入社。電力事業部火力技術本部長、日立工場長を経て、99年副社長就任。2003年日立ソフトウェアエンジニリング会長、07年日立マクセル会長などを務めるが、日立製作所が7873億円の最終赤字を出した直後の09年、執行役会長兼社長に就任、同社再生を陣頭指揮する。黒字化の目途を立てた10年に社長を退任、14年には取締役会長を退任し、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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飯田健雄
20
この本は川村氏の集大成と思われるが、社長と副社長では、社内・社外の景色が、高さと3倍、視野で9倍という言葉に感銘を受けた。やっぱり、社長は、大変だ。2016/05/12
vinlandmbit
8
あの巨大組織を行くべき方向に動かした手腕の根底にある思想考えに触れられ、勉強となりました。2016/04/24
だ
7
東原さんの「日立の壁」が良かったので、理解を深めるべく歴史を遡って川村さん本に手を出した。私の履歴書を読んでいたので概ね既視感があったが、「日立の壁」を読んだ後だと、より深みを感じた。さて、どうやってこの名経営者は生まれたのだろうか。文中「お客さんに叱られながら、何度も現地へ出張し、対策を打たないといけない。それを50回も100回も繰り返すうちに、技術の勘所がわかり、その後は飛躍的にいい仕事をするようになる者がいる。これは『能力の覚醒』とも呼ぶべき現象」、とあるが、経営者川村隆はどの様に覚醒したのか。2024/07/10
よしたけ
2
日立をV字回復に導いた川村氏自伝。経営計画・業績に照らしつつ、信念・実体験が綴られており、リアリティに溢れる。他方、社長論・人生論にも触れる等、重厚感あり。社長論では、理想のプロ社長としての①目的意識型、多くが陥りがちな②髪振乱し型、③超然型、④先延ばし型、等を例にあるべき論が語られており、道理を得た。また、同氏理念「スピード感を持ち、大胆な変革・改革が重要」につき、本書の締めにて、チンパンジーと人間の違いに触れ、人間は困難な環境に身を置くことで種としての衰退を免れている、という例示があり、説得力あり。2017/10/04
Atsushi Tsuchiya
2
川村元社長の素朴で真面目な人柄が手にとってわかる。ただそういう現実主義で合理的に物事を考える人こそ、今の不毛な世の中には必要であることがわかった。2016/08/12