内容説明
「モノづくりでは勝った」しかし「ブランドづくりで負けた」企業が多い。ブランドは、モノの中にあるのではなく、人の心の中にある。強いブランドは、成り行きまかせではできない。戦略性と創造性をもって、つくりあげるものだ。規模がない、広告宣伝費もない、歴史もない中小企業や地域産業のための、ブランドづくりの「羅針盤」。
目次
1 モノづくりから、ブランドづくりへのシフト(ブランドづくりのベクトルを統一しよう;ブランドの力;強いブランドの条件)
2 どうすれば強いブランドをつくれるのか(ブランドづくりのファースト・ステップ;強いブランドは、感情に訴える;なぜ、二番手ではダメなのか?;ブランドづくりは、ひき算である;強いブランドの強力な土台;目にみえないブランド価値を形にする;良い名前、悪い名前;誰のためのブランドか?;広告に頼らないブランドづくり;強いブランドの価格戦略;強いブランドには、ハーモニーがある;ブランドづくりにゴールはない)
著者等紹介
岩崎邦彦[イワサキクニヒコ]
1964年生まれ。静岡県立大学経営情報学部教授・地域経営研究センター長。上智大学経済学部卒業、上智大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得。国民金融公庫、東京都庁、長崎大学経済学部助教授などを経て現職。専攻はマーケティング(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しん
28
先日ブランディング入門のようなセミナーを受講したので、その関係の本を読みたくて買って読んでみました。ブランドとはどういうもので、どんな要件があるのかについて、わかりやすく纏まっている本だと思います。ブランディングの手法についても知りたかったのですが、そういう部分に関しては、あまり記述がなかったように思います。2016/02/22
kana
26
主に私の苦手な生のトマト(アメーラ)を例に、どうブランディングするのか、という話だったので共感しずらいのと(笑)、ではこれが今のIT業界で通用するのかというと、そうとはいえないだろうなぁと思うものの、とてもわかりやすい言葉でまとめられていて、好感が持てました。言葉を扱う仕事をする人の文章が、時にかっこつけていてわかりにくいことがあるけれど、本書は章立ても明解で、1文1文練られていてとても読みやすく、納得感があります。ブランディングを考える際のチェックポイントとして使いたい、大事にしたい教科書です。2014/04/23
Yuma Usui
24
『ブランドは「売りたい商品」を「買いたい商品」に変えてくれる』を切り口に、ブランドのつくり方を教えてくれる一冊。著者が関わった高糖度トマト「アメーラ」が事例でイメージしやすい。機能的価値(良い⇔悪い)と情緒的価値(好き⇔嫌い)のアタマとココロの両面で顧客満足を追求する点や、トマトには335円、美味しさの感動には8,939円払えるというアンケートのように、モノからコトに焦点を当てる点など興味深い内容だった。「金をより輝く金に変えてくれるのがブランド」で、モノづくりもブランドづくりも共に大切にする必要がある。2019/05/06
手押し戦車
17
強いブランドは目を閉じてそのブランドを思い浮かべた時にイメージが映し出される。品質を超えた何か強い印象を与える。明確なコンセプトがあり消費者の心の中に明快なイメージが形成され売手のセンスやデザイン力によって消費者の感性に訴える。人はモノよりコトに大きな価値を見出す。口コミの方が影響力があり永続性のあるブランドになる可能性がある。口コミをする人はその製品やサービスの価値に満足し信頼を寄ていて類は友を呼びリピーターになり、価格の安さで引きつけた顧客は価格で逃げていく。ブランドは心に残り価格は数字だけ!2015/03/02
たまご
15
「モノを売るためにはブランド力が大切ですよ」という大枠の話に終始しており、肝心のブランドを作る具体策についてはそこまで説かれていない印象。実務経験がない著者の実用書はそこまで期待せずに読むが本書もやはりという印象。ブランド作りを頑張ってもイケてない商品をイケてるように見せることはできないというのは完全同意。ブランドに限らずそもそも商売において商品力がなければ話が始まらない。Appleとパナソニックを比較し「Appleの方が時価総額が大きい=ブランド力のおかげ」というロジックはさすがに無理矢理すぎるw2024/04/13