出版社内容情報
巨額不正資金を飲み込む「悪のサークル」に堂々の闘いを挑んだ元行員の前に立ちはだかる組織の壁。彼が最後に見た“銀行の闇”とは?
内容説明
右近の証言で露呈する銀行の杜撰な融資管理。しかし、偽証の横行、印鑑偏重主義、居眠りするエリート裁判官、事なかれ主義の金融行政、原告側の甘さなどが、正義の実現を阻む。事件が控訴審へともつれ込んだとき、バブルの後処理に苦しむ銀行業界で大地殻変動が起き、事態は急展開。真実を求めて国会議員とともに香港へ飛んだ右近が目のあたりにする、事件の構図と黒幕の正体とは!?
著者等紹介
黒木亮[クロキリョウ]
1957年、北海道生まれ。早稲田大学法学部卒、カイロ・アメリカン大学大学院(中東研究科)修士。都市銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務し、国際協調融資、プロジェクト・ファイナンス、航空機ファイナンス、貿易金融などを手がける。2000年、『トップ・レフト』でデビュー。英国在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
R.Hand
8
銀行や証券は弱者を狙い撃ちでやることがえげつないわな。実話なんですかね。小説というかレポートといった感じがしましたが面白かったので集中して読めました。民主党議員の登場は残念な感じでした。(3.5)2016/04/16
koji
6
下巻は上巻以上に加速がつき2日で終わりました。まず黒木作品の魅力を改めて纏めると、①主題の骨格が確りしていること、②人物の造型が具体的で勧善懲悪の役回りがはっきりしていること、③描写が緻密で筋が論理的で、読者に余計な思考回路を使わせないこと、④ディテイルを疎かにしない専門家が読んでも耐えうる綿密さ、⑤有名料理店の描写等読者の頭脳が疲れ切らないアクセントを配していることです。ところで本書を読むと不良債権処理が完了し大手行の最終処理前夜のさまざまな出来事が走馬燈のように蘇ってきました。読書中は至福の一時でした2017/01/26
プレミアムモルツ
5
大淀銀行。司法。宮入治。どれも腐りきっている。今、大淀銀行のような酷い銀行はないと信じたいが、銀行の内向きの論理はまったく変わっていないと思う。2015/05/06
ルイルイ
3
半沢どころではない実話に基づく話。思いがけず経済事件に巻き込まれてしまったエリートサラリーマンの名誉回復の物語。面白かった(*^^*)2016/02/18
マメラッティ
2
著者の作品のいつも通り出てくる場面全てが詳細で、序盤は少しくどいかなと思うのだが、読み進んでいくとそのおかげで登場人物の心情みたいなのを感じることができる。著者には鮮明に場面が想像できているのだろう。味方の無能な働き者に一番不快感を感じつつ大変面白く読めました。2025/03/06
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