内容説明
古今東西あまた存在するミステリー。読み継がれる古典や毎年発表されるベストテン、映画やドラマ化、漫画化されたベストセラーに名だたる受賞作品など、いったい何から読めばいいの?迷える読者に自信をもってお薦めする、国内ミステリーの必読100作品。買ってお得、読んで納得の新ブックガイド登場!
目次
第1部 マストリード100(パノラマ島綺譚(江戸川乱歩)
完全犯罪(小栗虫太郎)
とむらい機関車(大阪圭吉)
少女地獄(夢野久作)
夜歩く(横溝正史) ほか)
第2部 さらに楽しい読書のすすめ(戦前~一九八〇年代デビューの作家たち;一九九〇年代以降デビューの作家たち)
著者等紹介
千街晶之[センガイアキユキ]
ミステリー評論家。1970年生まれ。立教大学文学部卒。1995年、「終わらない伝言ゲーム―ゴシック・ミステリの系譜」で第2回創元推理評論賞を受賞しデビュー。2003年、『怪奇幻想ミステリ150選』が第3回本格ミステリ大賞(評論・研究部門)最終候補、翌2004年には『水面の星座 水底の宝石』で第4回本格ミステリ大賞(評論・研究部門)、第57回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
🐾Yoko Omoto🐾
124
「東西ミステリーベスト100」やその他のミステリランキング本とは少し趣向が異なるマストリード本で、ミステリ評論家の千街氏が独自に縛りを設定したベスト100作品。いわゆる「代表作」として各書で紹介される作品は既知であるものとして殿堂入りとし、あえてそれ以外の作品を紹介しているのが面白い。例えば有栖川氏、綾辻氏で言えば「双頭の悪魔」「十角館の殺人」がマストとなるところ「孤島パズル」「迷路館の殺人」をあげるといった具合。「有名な作品は知っているが他にはどんな面白い作品が?」という人にとってとても参考になるはず。2014/03/30
Tetchy
77
先に出版された杉江松恋氏によるガイドブックの姉妹編。海外編が出れば次は国内編も、というミステリファンの期待通りに出版するところが憎い。さて本書に挙げる書物を挙げるにあたり、選者はいくつかの縛りを設けているが、それが故に選出作に閉塞感を覚えてしまうのも事実で、作品のセレクトに「?」となるのがあったのは否めない。しかし杉江氏同様、挙げられなかった作品を補完して紹介する第Ⅱ部の方が筆致が熱いのには思わず苦笑してしまった。この本をきっかけに貴方は貴方なりの、そして私は私なりのマストリードを探していくことにしよう。2015/04/21
山田太郎
54
山田風太郎って過大評価じゃないかいなと思うんだけど。中町信も同じく。あんまり読みたい本はなかったけど、高木彬光を読みたくなりました。人形か刺青でも買ってこよう。2014/03/19
ナミのママ
37
『このミス』や『文春』で5位以内の殿堂入り作品ははずす『東西ミステリーベスト100』の50位以内ははずす、現役で入手可能な本から選ぶ…などの基準から選考した作品100点と、それ以外がほぼ時系列順に並んでいます。仁木悦子さん、戸川昌子さんなどちょっと懐かしい名前をみつけました。平成生まれの家族には目新しいものが多かったらしく年代を越えて楽しめた一冊でした。まだまだ知らない作家さん、今になると読んでみたいジャンルなどが出てきます。付箋がいっきに減りました。2014/07/20
HK
34
比類なき傑作ミステリガイドブック。各種ランキングやブックガイドで紹介される名作群を「殿堂入り」としてはずすことで特色を出しており、有名作はある程度読了済の人向け。作品選択の確かさ、簡潔にして要を得た紹介、短い中に作品の魅力のみならず作品・作家背景も伝える文章力と非の打ち所がない。また各作品につき紹介する関連作品や、短い紙幅でおそろしい情報量の第二部のミステリ通史からは、本格ミステリ評論の印象が強い作者の他ジャンルも含めたミステリ全般に関する博学さに畏怖を感じる。(コメントで読メユーザーの皆様に質問あり)2015/09/06