内容説明
江戸に流通革命をもたらす波浮の築港計画。船団の針路と物流の変化をめぐってぶつかりあう幕閣たちの権力抗争、そして謎の剣客の暗躍。江戸、下田、大島が形成する一大トライアングルで展開する海と剣のサスペンス。斯界の重鎮、安部龍太郎の若き日のエンターテインメント大作、復刊!
著者等紹介
安部龍太郎[アベリュウタロウ]
1955年福岡県生まれ。久留米高専卒。1990年『血の日本史』でデビュー。2005年『天馬、翔ける』で中山義秀文学賞を受賞。13年『等伯』で第148回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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成蹊OB 江口の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
42
大島の波浮の港作りを巡って渦巻く陰謀。抜け荷で私腹を肥やしていた庄屋と幕府高官。江戸の人足寄せ場の立て直しを図る呑海と鉄之助。人足寄せ場とくれば、やはりあの人物が出てくるねと思った。様々な妨害に遭いながら築港に着手できるのか、鉄之助の出自と絡まって物語は進むが、ダークサイドに落ちる英一郎が哀れか。2021/10/23
Book Lover Mr.Garakuta
12
幕閣の権力や財閥の権益や利益を我が物しようとする江戸時代の話。著者初期の作品であるらしい。読み処:37章の殺人現場の所で肝が冷えました。2019/04/07
きーよ
2
江戸後期、財政難の幕府を背景に財政改革派と保守(質素倹約)派の政争を軸に老中や役人、武士や流人や豪商、お庭番等を配し、江戸、下田、伊豆大島に跨る雄大なスケールで立場の異なる思惑と行動を濃密なストーリー構成で次から次に展開、複雑でスリリングな物語だが、場面の展開が巡るまし過ぎて、少し説明が不足気味、もっと頁数を増やしてもよいのでは。直木賞の「等伯」を彷彿とさせる巧みな語りのサスペンス歴史小説。6年前、伊豆大島を仲間と旅行しレンタカーで波浮港に行った、それほど規模は大きくなかったが青色の透明感は格別だった。2014/03/22
イーグルボーイ
1
伊豆諸島のことや江戸の知識としては、知らない事も多く興味深いものがあった。物語としては「う〜ん」というか長い割には内容が薄いイメージ。登場人物は多いのだが登場する必然性が弱いため、伏線未回収な感がある。時代物だけどハリウッドの脚本にありそうなエンタメ作品です。2015/07/13
九鬼荒神
0
あれもこれも盛り込みすぎて、内容が散漫になった印象。登場人物の誰にも感情移入ができない。意欲作ではあるかもしれないが、満足感はいまいちでした。2015/11/11