日経プレミアシリーズ<br> 無駄だらけの社会保障

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日経プレミアシリーズ
無駄だらけの社会保障

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  • サイズ B40判/ページ数 230p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784532264284
  • NDC分類 498
  • Cコード C1233

出版社内容情報

「特養、実は首都圏だけで6000人分余っている」     
「医療の進歩で2割以上も余る過剰ベッド」「あふれる飲み残し薬」
「根拠の薄いがん検診を9割の自治体が実施」「不適切に使われる国や自治体の補助金」・・・・・・。

現役世代を苦しめる、社会保険料や税金の負担増。

しかしその一方で、医療や介護の現場をふりかえれば、 
そこには
馬鹿にできない大きなムダが生じているのも見逃せない事実である。 

本書では、日経記者が調査データを元に、  
制度疲労を起こす社会保障のひずみを浮き彫りにし、問題点を分析する。

内容説明

鼻炎薬や湿布など市販品があるのに病院で5000億円超の薬が処方され、自治体の9割が科学的根拠の乏しいがん検診を実施し、過剰な治療を招いている…。社会保障にまつわる国家支出は年々増え、国民の重い負担になっているが、医療や介護の現場を探ると想像を絶するほど多額の“無駄遣い”が生じている。日本経済新聞の調査報道チームが、膨大なデータの独自分析によって日本の社会保障が抱える「病」、に切り込む。

目次

第1章 そのクスリ、本当に必要ですか?(湿布、鼻炎薬…市販品あるのに病院処方で5000億円;日本の「非常識」、効果低い薬にも保険;足踏みする「安い薬」の普及;あふれる抗生物質と「飲み残し薬」;インタビュー編 薬の無駄をどう省くのか)
第2章 つくられる入院患者(後期高齢者に広がる「年100万円超え」;過剰ベッド減らぬ病院、5年で14%増える;寝るだけ、服薬だけ…海外より長引く入院;自治体の9割で根拠薄いがん検診)
第3章 見えぬ地域医療の未来像(公立病院膨らむ「隠れ赤字」;遠い国保健全化、保険料上げず自治体補填;かけ声倒れの医療ITネットワーク;「ネット処方薬」普及遠く;インタビュー編 老いる患者、地域医療どう変わる)
第4章 終の棲家、どこへ(膨らむ「おひとり様」リスク;足りないはずの「特養」、実は空いている;高齢者住宅「サ高住」の異変;介護「外国人頼み」の死角;要介護度、ばらつく認定)
第5章 クライシスを避けるには(エビデンスなき政策をやめよ;痛み恐れず、病院再編を;介護の脱・ハコモノ、人材育成が先決)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

西

21
仕事勉強用に。診療報酬や薬価改定だけで医療を適正化していくのは難しい。ある程度国や地方の方針で大胆にメスを入れていかないと、このままでは社会保障費用でドンドン貧しい国になっていってしまうなと。極論、●歳を超すと手術しないとか、高額な薬を投与しないとか、その代わり安楽死を選ぶ権利を与えるとか、決断しないといけない日が来そうな気がする。データなどを頭に入れるために再読しないと2020/06/14

mazda

12
病床が多いと入院患者が増えるのでデータから明らかなのですが、これは患者の都合ではなく病院の都合、つまり、病床の稼働率を上げるためだと言われています。また、無駄に多くの投薬を行ったり寝たきり要介護者が増えるのも病院や医師の都合である部分が多いのかも知れません。確かに患者が要求することも多いのですが、無駄に投薬しなければしないで慣れていくのではないでしょうか。増大する一方の社会保険料をうまく節約していかないと、日本の社会保険そのものが破綻する可能性すらあります。2022/08/20

あんさん

8
社会保障のムダについて、主に医療・介護面からのリポート。論点はクスリ・入院・地域医療・介護など。明確に述べられてはなかったと思うが、70年代の老人医療費の無償化→高齢者の入院が増加→病院が多数建設されベッド増加→ベッドが埋まらず病院経営悪化→入院長期化その他の様々な増収策→医療費増加、の構図か。この手の議論はマクロ視点とミクロ視点が混同され、高齢者の命はどうでもいいのか、などのヒステリックな批判が起きがちだが、政治家には政策の検証を十分に行ったうえで、冷静に議論を行ってほしい。2022/10/21

Melody_Nelson

6
流し読み。新型コロナのパンデミック前に書かれた本なので、本書の状況とは異なった見方もできる。が、いずれにせよ、社会保障については本気で「無駄」の出ないように考えなおさねば、かなりマズい。医療機関(病院)、製薬会社、行政、利用者、それぞれ自分たちの良いようにだけ考えた結果がこのゴチャゴチャになった医療体制で、パンデミックが起きたら機能不全(というか一部の病院にしわ寄せ)となるのだ。早急にどうにかしてほしいが、まずは薬の問題や電子カルテなど、小さなことから始めるべきなのか…。2022/08/24

みじんこ

5
コロナ禍の始まり頃に発行された本書だが、根本の問題は現在も変わっていないだろう。患者側としては病院で処方された薬の方が市販薬より安く得られるならそちらを利用するのが心理として当然であるので、紹介されているような海外の手法にも学んで制度作り・強化で無駄な薬を減らす必要があると感じた。無駄な入院(社会的入院等)、病院の赤字経営、介護など問題は山積みである。本書で述べられているようなOTC(市販薬)化や病床再編、在宅医療・介護推進などは国・自治体も含めて幅広く取り組んでいかねば社会保障の維持は困難である。2023/11/26

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