出版社内容情報
竹島、慰安婦、徴用工、レーダー照射――。戦後70年かけて構築された日韓関係が相次ぐ韓国の判断によって脆弱になってしまっています。なぜこのような状況になってしまったのでしょうか?
本書は、ソウル支局長として文在寅政権の誕生を見、帰国後は韓国担当編集委員としてウォッチし続けてきた記者が、複雑に絡み合った日韓関係を実体験と最新の政治経済情勢に基づいて読み解くもの。
保守系政党は相次ぐ失策によって当分政権に復活することは期待できません。日本は文政権と同様のリベラル政権と10年近くつきあうことになります。それだけに彼らの考えをきちんと理解することが欠かせません。
日韓関係がもつれてしまった背景を理解するためには、歴史的な要因と文在寅政権の判断とに分けて構造的にとらえる必要があります。例えば、現在韓国政治においては反日の傾向が強いのですが、それを引っぱっているのは、かつて「386」世代と言われ、今、「586」世代と言われている世代です。「586」世代とは、今、50代で、80年代に学生運動を経験し、60年代に生まれた世代です。
一方経済面では、文在寅政権は最低賃金引き上げなどの政権公約実施によってかえって経済状況を悪化させてしまい、国民の不満の鉾先を反日に向けてやり過ごそうとしている面もあります。
個々の韓国人を見ると親日的であり、日本人も韓国で暮らして不快な思いをした人はほとんどいません。そんな人々がどこで反日のスイッチが入ってしまうのか、それをどのように乗り越えていくべきかについても本書は突き詰めます。
内容説明
韓国大法院(最高裁判所)のいわゆる徴用工判決、自衛隊機へのレーダー照射問題、従軍慰安婦財団解散決定、韓国国会議長による謝罪要請発言―。国交正常化以降最悪期を迎えてしまった日韓関係。韓国は一体何を考えているのかを、日経新聞前ソウル支局長が解明する。
目次
第1章 日韓、危険水域へ(振り切れた振り子;利かない“安全装置”)
第2章 「反日」の構造(気がつけば反日;「日本知らず」の悲劇)
第3章 韓国の実相(外交紛争の足元で;憂鬱な隣国)
第4章 成熟した関係に―日韓のめざす道(カギ握る「複眼」の20代;対日観も複眼に;「国家」よりも「個人」;国際法廷は蜜の味か;“ケース”2012年竹島問題ICJ提訴攻防;5年で激変した日韓環境;懸念を抱く経済界;外交危機は構造問題;歴史の皮肉;「求同存異」の精神;重層的な関係を築く;首脳外交しかない)
著者等紹介
峯岸博[ミネギシヒロシ]
日本経済新聞編集委員兼論説委員。1968年埼玉県新座市生まれ。92年、慶応義塾大学法学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。政治部で首相官邸や自民党、外務省など、経済部で旧大蔵省を担当。ソウル支局特派員、政治部キャップ、政治部次長を経て2015~18年ソウル支局長。18年4月から現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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