内容説明
なぜ太ってしまうのか。なぜ日本食は食べ過ぎを防ぐのか。適切な体重管理をするには、脳と身体の仕組みの本質的な理解が必要です。脂質と糖質が「やみつき」になる理由、食に満足感をもたらす「うま味」のはたらき…。健康に暮らすために必須の知識が満載の一冊。
目次
第1章 脳が身体を見守っている
第2章 おいしさを感じるのは味覚だけではない
第3章 脳は胃腸と直結している
第4章 体内のバランスを保つ脳のはたらき
第5章 食欲と満足感をつくる脳
第6章 うま味は「やみつき」にならない
第7章 食わず嫌いと本当の嫌い
第8章 肥満症を呼ぶもの
第9章 日本人は何を食べてきたか
第10章 適切な体重の人の脳は元気
第11章 体重管理の鍵はうま味が握る
著者等紹介
鳥居邦夫[トリイクニオ]
株式会社鳥居食情報調節研究所代表。農学博士(東京大学)、医学博士(名古屋市立大学)。1946年東京生まれ。71年東京大学農学部畜産獣医学科卒(獣医師)。同年味の素株式会社入社、中央研究所配属。77年~79年米国モネル化学感覚センター留学(訪問研究員)。90年~96年新技術事業団(現、科学技術振興機構)創造科学技術推進事業(ERATO)鳥居食情報調節プロジェクト総括責任者。味の素イノベーション研究所首席理事、名誉理事等を経て2012年退任、同年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Humbaba
5
上手く満腹感を得られるかどうかは、摂取したエネルギーだけで決まる訳ではない。その食物に何が含まれていたかによってその感覚は大きく変わってるので、どのような食事をするかは非常に重要になってくる。日本人が昔から続けてきた食事である和食は、その意味で非常に健康的であるといえる。2016/05/25
もけうに
3
科学的な内容なのにわかりやすく、とても面白かった!満腹感の得方、過食に走ってしまう仕組み、日本型食生活が太らない理由、欧米人と日本人のⅡ型糖尿病罹りやすさの差etc.どれも大変興味深い。うま味は偉大。体の中で様々なことが起こっている。よく味わって食べることが大事。2022/01/15
renren
2
生体の必須アミノ酸の摂取・調節システムが想像を超えて精密なものであったことにまず驚き。味覚でなく消化管あたりにセンサーがあって,いくら不快な味や消化の感覚の記憶と結びつこうが必ず摂取し,センサーが反応して初めて「食べ物を食べましたよ」感覚を迷走神経で伝えるんだって。それでいて糖質脂質と違ってやみつき過食にならない。胃瘻の注入食にグルタミン酸を加えたら誤嚥や嘔吐が減ったとか,介護に資するすごい発見だと思う。ダイエット食には必須アミノ酸欠かさないこと+お出汁をしっかり使って脳に「食べました」伝えようと思う。2014/08/11
mercury
2
かなり難解だがとても興味深い。どれくらい難解かというと「私はうま味を受容する過程では核酸の分解物である5'-リボヌクレオチドのイノシン酸やグアニル酸が共存していることにより、グルタミン酸が単独であるのにくらべ、受容体への結合が数倍増えることをウシの味雷で証明したのです。」といった文が続く。それでも、食べ物、消化吸収、脳のありよう、研究者の取り組みが面白く、頑張って読むだけの価値はあると思った。半分位しか分からなかったが…。文章のどこを直せば良いかなど余計な事も考えてしまった。2014/03/13
Humbaba
1
現代社会になって科学技術が発展し、人間の生活は大きな変化を迎えた。しかし、体はその発展の速度についていく事はできない。ずっと先の未来ではその社会に合わせて、必要以上のエネルギーを摂取した場合にはそれを排出できる身体を獲得できるかもしれない。しかし、少なくとも現代においてはそれは不可能であるので、まずは今の体が何をどのように受け取っているかを知るべきであろう。2013/12/27