内容説明
なぜ人間は、「滅多に起きないが影響が甚大」な災害には敏感なのに、日常の失敗や危険への対策はおろそかになるのか―。『リスク、不確実性、そして想定外』の著者が、生活シーンから歴史的事件など豊富なエピソードを用いて、「リスク管理」で失敗しないための基礎知識をわかりやすく解説する。
目次
第1章 「電車に乗る」というリスク
第2章 「予測」という名の想定
第3章 なぜ人間は慢心するのか
第4章 木を見ず森を見る
第5章 宇宙人の襲来も「想定」すべきか
第6章 バブルは「錯覚」から生まれる
第7章 緊張感なき「組織」、想定外なき「社会」
第8章 生物にとっての「リスク、不確実性、そして想定外」
終章 人生のリスク管理
著者等紹介
植村修一[ウエムラシュウイチ]
大分県立芸術文化短期大学教授。1956年福岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、日本銀行入行。調査統計局経済調査課長、大分支店長、金融機構局審議役などを経て退職。民間会社や独立行政法人経済産業研究所に勤務の後、2013年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HoneyBear
9
リスク測定やリスク管理に関する硬い話かと思ったが、むしろリスクの感覚的な受け止め方を巡っての軽めのエッセイだった。それなりに面白い挿話があるし、心理学などの関連する文献を短くまとめてくれているので参考になるところもあるのだが、軍事、災害対策、保険、市場リスク、賭博など最前線でリスクと対峙している方々には物足りない内容かもしれない。2017/06/16
壱萬参仟縁
9
評者の指導教官は、リスクとか時間ファクターとか、経済学の概念でいろいろとご指南された覚えがある。しかし、まだ学位に結びつかない。老化、時間経過に伴う陳腐化を回避する研究はなかなか。大都市で生きるにはリスクだらけ、ということが実感された第1章。リスク管理に誘因欠くと失敗(24-25頁)。牛山恭範先生も失敗しないためにどうするか? という問いを大事にすることを挙げておられる。失敗に敏感になりたい。目先の利益と将来の利益(96頁)。評者は将来の利益のために目先の苦しみに甘んじている。長い非正規で面倒を避ける癖。2013/07/03
kokada_jnet
4
リスク学についての解説書なのだが。古今東西の各種エピソード紹介が抜群にうまくて、雑学本としての完成度高し。松田道弘を連想。2013/09/12
ぷくらむくら
2
前作よりこちらの方が取り上げている例が面白かった。おそらく、自分が「錯覚」していることに気付くのが一番難しいのだろう。人間は正当化する動物なのである。2013/07/20
おらひらお
1
2013年初版。読みやすいリスク管理本。ここから本格的に進むのが良いかも。2020/11/21
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