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内容説明
クラシックを曲解した権威主義に付き合うのはやめよう!今のピアノを知らない大作曲家達、ロボットが優勝しかねない現代のコンクール、ピアニストの苦悩と憂鬱、巨匠の愛したピアノの物語―裏側まで知り尽くした筆者だから語れる、クラシック音楽が100倍楽しくなる知識。
目次
第1章 ノイズこそ音楽の美味しい出汁である
第2章 日本のクラシックは思い込みと勘違いで敷居を高くした
第3章 近代クラシックはアメリカが作った
第4章 弾きやすいピアノは弾きにくい
第5章 ピアノには寿命があるのか?
第6章 ホロヴィッツピアノ物語
第7章 日本のピアノメーカーが残したもの
著者等紹介
高木裕[タカギユウ]
タカギクラヴィア株式会社代表取締役社長。コンサート・チューナーとして、国内外のアーティストのコンサートやレコーディングを数多く手掛ける。どのピアノメーカーにも属さない自由な立場で、テレビ、ラジオ出演のほか、雑誌、講演、レクチャーコンサートなどでも活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おぎわら
14
バッハやモーツァルト時代の古楽器の話はよく聞くがショパン時代のピアノは意外と知らない。著者は調律師でコンサートピアノの貸出業を主宰とのこと、メカに踏込む解説を期待して読んだがちょっと違う。タイトルの「今のピアノ」は文字通り今のピアノだが、それと対比するのはショパン時代のではなく、なぜか昔のスタインウェイ。「なぜか」の説明は一応あるのだが、著者の会社でそれを貸出と聞くとちょっと何だかなと、げんなりしまう。日本クラシック界の権威主義を批判するが、古いスタインウェイ信奉は権威主義ではないのかと疑いたくなる。2017/10/16
hiromi go!
7
「クラシックを勘違いした権威主義はダメ!」との著者の主張。「そうだそうだ!俺も権威主義反対!」と頷きながら読み始めましたが、直ぐにあれ?何か違うな?と違和感を覚えました。暫くして、己の理解力の無さに気付きました。著者は、権威主義を一言も否定していなかったのです。どころか、壮絶な権威主義者です。同じ権威主義でも「勘違いはアカン!正しく理解した権威主義でないと!」と。なるほど分かり易い。改めて頷き直しました。己と過去の権威を大いに崇拝し、他者と現代を徹底的にディスる。絵に描いた様に嫌な奴で笑っちゃいます。笑2023/06/24
スリカータ
7
タイトルは釣りで、あまり内容と関係ない。高木さんの著書は「スタインウェイ戦争」に続いて2冊目。本書もスタインウェイ社の歴史とヤマハについてと著者の雑感が時系列無視に語られている。調律師は寡黙な技術者というイメージがあるが、実際は饒舌な人も結構いて、著者は饒舌なのかな。著者がヤマハ出身ということで、ヤマハの良いところばかり書いており、カワイは完全スルー。個人的にはカワイの方が好きだが。2019/06/29
Pontmercy
7
最後の著者の意見が一致していて驚いた。リストが何台もピアノを壊す中で初めて耐えたピアノは、ベーゼンドルファーです。「リストは後年スタンウェイも所持していた」とありますが、気に入って買ったとは限らない。当時は多数のピアノ社が宣伝すべく、こぞって有名ピアニストや作曲家にプレゼントしていて、シューマンの妻クララは何台もピアノをもらい、断るほどだったそう。実際、リストが亡くなる3年前に伊藤博文の前で演奏したときに使用したのはベーゼンドルファーの気品と中身のある響きのピアノです。スタンウェイを選ばなかったのです。2017/03/07
Sachi
6
調律の仕事の奥深さを垣間見ながらこれからの楽器と演奏家の可能性を考える本でした。ホロヴィッツのお気に入りピアノを買えたのは本当に運命のようなキセキですね。2017/01/03