日経ビジネス人文庫 なぜリーダーは「失敗」を認められないのか

テドロー，リチャード・Ｓ．【著】〈Ｔｅｄｌｏｗ，Ｒｉｃｈａｒｄ Ｓ．〉/土方 奈美【訳】

日経ＢＰＭ（日本経済新聞出版本部）（2015/04発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 391p／高さ 16cm
• 商品コード 9784532197599
• NDC分類 335.253
• Cコード C0134

出版社内容情報

問題が生じていても、多くの企業は現実を直視できない。そこから破滅への道を歩んだ企業、危機を乗り越えた企業の違いを探る。

内容説明

ライバルの成功はただの偶然、悪い話は聞きたくない…。過去の成功体験ゆえに、多くの企業はすぐそこにある不都合な真実を直視できない。過信ゆえの判断ミスから破滅への道を歩んだ企業と、危機を乗り越えた企業の違いを、経営史に残る企業の失敗から探る。

目次

第１部　現実を見誤る（悪い情報を遮断する―ヘンリー・フォードと“モデルＴ”；どうしてあなたは「認められない」のか；技術的キャズム―タイヤ業界が認められなかったこと；「これが現実だなんて、信じられなかった」―Ａ＆Ｐの凋落；巨大建築コンプレックス―シアーズの否認；今日の行いは、明日の成功につながるか―ＩＢＭの否認と復活；コカ・コーラがついた“真っ赤な嘘”；群衆の狂気―ドットコムバブルと否認）
第２部　真実を見極める（戦略、組織構造、そして現実の直視―デュポン；「僕らが一度会社を辞めたつもりになって…」―インテルにおける新たな視点；データ重視のＥＱ経営―タイレノールの復活；新たな視点）

著者等紹介

テドロー，リチャード・Ｓ．［テドロー，リチャードＳ．］ ［Ｔｅｄｌｏｗ，Ｒｉｃｈａｒｄ　Ｓ．］
ハーバード・ビジネススクール教授（経営管理）。著書に『アンディ・グローブ』（ビジネスウィーク誌が選ぶ２００６年ベスト１０）、Ｇｉａｎｔｓ　ｏｆ　Ｅｎｔｅｒｐｒｉｓｅ（ビジネスウィーク誌が選ぶ２００１年ベスト１０）など。ハーバード・ビジネス・レビュー誌、フォーチュン誌ほか多数の雑誌、専門誌にも寄稿している

土方奈美［ヒジカタナミ］
翻訳家。慶應義塾大学文学部を卒業後、日本経済新聞社に入社。日本経済新聞、日経ビジネスなどの記者を務めたのち独立。米国公認会計士、ファイナンシャル・プランナーの資格を保有し、経済・金融分野を中心に翻訳を手掛ける（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[seura]

壊れた時計でも1日2回は正しい時を指す/否認/現状を認められない/インテル:もし他の経営者が来たらどうする？/コカコーラ社内でペプシと言えない/ibm

2017/02/27

[Shinichi Nakamura]

実在企業の失敗事例をいくつか述べられており、失敗に至るプロセスは否認にあるという。その原因と具体的な対策を学べるものではないが、技術者倫理を考えるきっかけのひとつの視点には役立ちそう。

2015/05/04

[めぐりん]

優れた人と言えども「明白な事実と向き合いたくない」ために否認する。知っていても知らない振りをした米国ビジネス・リーダーの例を上げて説得的に論じる。本来は、「自分が直視すべき事実を探り出し、全てをわきまえた上で意思決定」するべきだが、実際には出来ない

2022/01/31

[yagi602]

否認とは、不愉快な現実に対し、「本当なら酷すぎる、だから本当のはずがない」と考える心の動き。 辛い現実を受け入れられず、事実を無視して自分にとって都合のいい結論を作り出す。そして、その結論に合わせた理屈を捻り出す。 外から見れば明らかに間違った選択も、本人は自分に都合のいい結論の方向へ向かっているつもりなので聞く耳を持たず。傷口がどんどん悪化していく。 既得権益者が、新しい物をバカにしているときは、大抵脅威を感じている時だそうです。新事業を競合他社がどう判断しているかの指標になりそうですね。

2021/05/07

[kota]

米国の著名な企業の栄枯盛衰を、ハーバード・ビジネススクールの教授が暴く。コカコーラ、IBMならびにインテルといったビッグ企業も過去には失敗を犯していた。その真因とは。グループシンクによる非合理的方向への歪曲、現実を受け入れられない、真実であってほしいことを真実と思い込む。いわゆる「否認」である。否認により消えた企業もあれば、先にあげたビッグ企業は立て直した。それは何故かを著者は紐解いていく。

2019/11/12