内容説明
「なぜバブルが生まれ、はじけたか?」「君は年金をもらえるか―消費税をどうする?」―過去の経済政策から、現在の日本や世界を取り巻く情勢、いま抱える問題点など、日々のニュースを理解するために必要な経済知識を丁寧に解説しました。毎日のニュースが身近に面白くなる、池上教授の白熱授業。
目次
1 インフレとデフレ―合成の誤謬
2 政府か日銀か―財政政策と金融政策
3 バブルへGO!―なぜバブルが生まれ、はじけたか?
4 円高と産業空洞化―日本に残るか海外に出るか
5 君は年金をもらえるか―消費税をどうする?
6 リーマン・ショックとは何だったのか?
7 日本はどうして豊かになれたのか?―戦後日本経済史
著者等紹介
池上彰[イケガミアキラ]
ジャーナリスト・東京工業大学教授。1950年、長野県松本市生まれ。慶應義塾大学卒業後、73年にNHK入局。報道記者として、さまざまな事件、災害、消費者問題、教育問題を担当する。94年から11年にわたり「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍した。2005年3月にNHKを退職しフリーに。書籍やテレビ番組でニュースをわかりやすく解説することで幅広い人気を得ている。12年より東京工業大学リベラルアーツセンター教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiro
68
池上さんが客員教授をしていた京都造形芸術大学で行った一般教養の集中講義「経済学」をもとにした本。その1に続いて2を読んだ。1はアダム・スミス、マルクス、ケインズ、フルードマンといった経済学の流れを知ることができたが、2はインフレとデフレ、バブル、年金、リーマンショック、それに戦後日本経済史と、池上さんわかり易い解説で、経済のより身近なことを知ることができた。たとえば「公定歩合」という用語はもう使わないのを、恥ずかしながら初めて知った。やはりこの本で一番印象に残った経済用語は、「合成の誤謬」。2015/08/08
ぴえろ
48
やさしい経済学第2弾。インフレとは?皆が同じ行動をすると、合成の誤謬が起きる。さらにインフレは加速する。バブルはなぜ生まれ、はじけたか。リーマンショックはなんだったのか。聞いて知ってる「つもり」になっているけど、人に説明しようとすると出来ない。そんな出来事・ニュースをわかりやすく教えてくれる。池上さんすごいなぁ。2021/07/23
井川浩
31
池上さんの本はやっぱり分かりやすいですね。ぼやっとした知識をおさらいできる安心感と、マメコラムでは知らなかったことや、新たに紐解いてみようかと思う本の紹介など勉強意欲を掻き立ててくれます。2022/02/11
saga
31
これで経済学を網羅できた訳ではないが、現代の経済の仕組みと抱える問題が理解できた。バブル崩壊から失われた20年を社会人として過ごしてきて思うのは、まさにバブルの真っただ中にいる時にはバブル経済に気付けず、バブルが弾けた後は先行き不安と給与カットなどの苦痛だ。日本経済はデフレスパイラルに陥り、アベノミクスも新たな経済の処方箋とは実感できない。2015/05/10
rokubrain
23
「合成の誤謬」 今回は、ここから講義が始まる。 80年代後半のバブルも、本書では壮大な「合成の誤謬劇」として描ける。 円高(プラザ合意)→低金利→財テク(土地神話)→地上げ屋→総量規制→不良債権 2008年のリーマンショック→世界規模の金融危機も、その背景に人間心理のコントロールできない「過ち」が見えてくる。バブルとリーマンショックは現代人に刷り込まれたトラウマだ。 カラクリを知ることで、人間は歴史から学ぶ賢者にもう一歩近づけるか?今回も勉強になった。2021/06/30