日経ビジネス人文庫
日本経済の罠 (増補版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 589p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784532194833
  • NDC分類 332.107
  • Cコード C0133

内容説明

世界を揺るがす金融危機は、日本が歩んだ道と何が同じで、何が違うのか―。バブル崩壊後、長期低迷に苦しんだ日本経済の再生策を包括的に説き、現実の政策に大きな影響を与えた1冊を文庫化。日経・経済図書文化賞、大佛次郎論壇賞奨励賞を受賞。世界経済危機と本書の関連について、新たに増補した最終章で詳細に論じる。

目次

第1章 バブル崩壊と失われた十年
第2章 経済政策の誤解―マクロ経済とミクロ経済との相克
第3章 不良債権問題の経済学―モラルハザードと信用収縮
第4章 バランスシートの罠―日本経済が陥った「停滞均衡」
第5章 日本経済への処方箋―経済政策の「第三の道」
第6章 これからの十年―四つのシナリオ
第7章 新たな経済理念・制度の構築に向けて―既成概念、既成制度・組織の打破
文庫版のための最終章―二〇〇一‐二〇〇九:日本再生から世界経済危機へ

著者等紹介

小林慶一郎[コバヤシケイイチロウ]
経済産業研究所上席研究員。1991年東京大学大学院修了(工学修士)、通商産業省入省。1998年8月シカゴ大学より経済学博士号(Ph.D.)取得。通産省大臣官房政策審議室課長補佐等を経て現職

加藤創太[カトウソウタ]
東京財団上席研究員、経済産業研究所上席研究員。国際大学教授などを兼務。1991年東京大学法学部卒、同年通商産業省入省。ハーバード大学ビジネススクール修士課程(MBA、優等号取得)、ミシガン大学政治学部博士課程(Ph.D.)、通産省国際経済課課長補佐等を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hidetada Harada

15
再々読にしてやっと理解できたかなと。コーポレートガバナンスの重要性については、村上ファンドの考えと似ているように思います。現在であれば支持されやすい考えでしょうが、当時は全くの逆。それを思うと経済(お金)に対する議論を理性的に展開する難しさを感じます。あと強く思ったのは、需要を作る仕事がしたいということ。生産効率の向上は供供給サイドの強化であり、付加価値(所得)の向上には必ずしも結びつかないと理解しました。すごく感じることの多い読書でした。2017/08/09

のるくん

3
「失われた10年」の2001年に発刊された単行本が「失われた20年」の2009年に文庫本化。一丁目一番地の「不良債権処理」が「先送り」され続けた結果、日本経済は回復せず「失われた30年」に。発病(バブル崩壊)の原因究明をせず、抜本的治療(不良債権処理)は副反応(経済破綻)を恐れ、専門医(国や金融機関)が個別に治療法を検討するも、対処療法的な緩和薬(財政金融政策)で紛らわせ、奇跡的な自然治癒(需要拡大)に期待しながら、症状の改善(景気回復)を待つうちに、大手術(経済システム改革)に耐える体力もないのかも。 2024/02/21

key-channel

2
一読したけど、「文庫本ってレベルじゃねーぞ」くらい、分厚い、そして中身が濃い。これくらいだったら文庫本より普通の単行本を増刷したほうがよかったのかもしれない。中身は失われた10年の分析とそれに対する対策の提案。小泉・竹中政策を半ば肯定するかたちの結論だった。日本経済を専攻している経済学部生ならマクロとミクロの本を補足的に読みながら読み進めるのはいいかもしれない。問題を設定して、その答えとまとめを明確にしているのは良い2011/02/17

ペールエール

1
90年代の日本経済の停滞を、マクロ、ミクロ経済学的な観点から説明する。ケインズ、サプライサイドなど、多様な学派の立場にたって理論構成されていたが、結局過去の経済変動をモデル化していく、っていう作業は変わらない。理論的には完璧だが整合性が共わない状況。間違っているのは理論の前提か?外的要因か?ひたすら理論構築に励む経済学も、時としてナンセンスにも思えてくる。2012/03/16

ごんた

1
この本はすごすぎる。今まで経済学は、現実にはありえない仮定のもとに構築された空論ばかりだと感じていた。だから、そもそも経済を理論立てすることなどできないと思っていた。しかしこの著者は、「失われた10年」と言われる日本経済の状況を、理論を持って見事に解き明かしている。著者は当時二人とも経済産業省の若手キャリアで、30歳代前半で書き上げている。日本経済が低迷する真の理由を解き明かしたい一心だったんだと思う。著者の知的好奇心と経産省官僚としての誇り、そして読者にわかりやすく伝えようとする誠実さが伝わってくる。2011/05/09

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