出版社内容情報
彼の世も小春日和か
此処から彼処の人を思う。
最新句集『此処』で2020年度の読売文学賞を受賞した俳人がこの10年、3・11からコロナウイルス禍までの間に綴った60余篇を編んだ、待望のエッセイ集
タイトルは自作句「本当は逢いたし拝復蝉時雨」から。時々のくらしを営む「此処」から「彼処」にいる本当は逢いたい人たちを思い綴る。彼処にいるのは――軍医として赴いた戦地で命を奪われた父、俳句の師、つい最近亡くなった夫、そして被災地で、猛威を振るう自然災害で、先のむごたらしい戦争で命を失った人たち。楽しい旅の途次に、家事の合間に、テレビを観ている時に、想像力は自然に育まれた命そのものへと向かう。自らの思いを常に客観視しているような透徹なまなざしから生まれる文章は、各エッセイに引いた自作句、師や友や先達の句をピリオドとして、えもいわれぬ余韻を残す。
内容説明
この10年、3・11からコロナウイルス禍までの間に綴った60余篇を編んだ、待望のエッセイ集。
目次
1 本当は逢いたし(当て無き櫂;気持よいかしら ほか)
2 彼の世も小春日和か(生まれ月;もろもろ ほか)
3 わが晩年などと気取りて(あの日は晴;思ってます ほか)
4 あんな日があってこんな日(此処あったかいよ;気が向きまして ほか)
5 私史に正史の交わりし(さようなら「平成」;父の顎)
著者等紹介
池田澄子[イケダスミコ]
1936年、鎌倉に生まれ、新潟に育つ。三十歳代の終わり近くに俳句に出会う。三橋敏雄に師事。句集に『空の庭』(現代俳句協会賞)、『たましいの話』(宗左近俳句大賞)、他。2021年、『此処』で読売文学賞・詩歌俳句賞、俳句四季大賞。2021年、現代俳句大賞。「トイ」「豈」所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はくもくれん
量甘
peace land
kawauso
Nene