デタラメ―データ社会の嘘を見抜く

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デタラメ―データ社会の嘘を見抜く

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  • サイズ 46判/ページ数 416p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784532177089
  • NDC分類 361.45
  • Cコード C0033

出版社内容情報

TEDの超単純化プレゼン
自称専門家のドヤ顔解説記事
統計データを歪曲した陰謀論
あなたのスマホは「デタラメ」だらけ!

■なぜ現代はデタラメ社会になってしまったのか?
 デタラメはあちこちにはびこっている。政治家は「ポスト真実」を主張し、科学者はでっち上げを発表し、高等教育機関は分析的思考ではなく思いつきを表彰し、スタートアップ企業は実現できない計画でカネを引っ張っている。さらには、広告業界の自動配信技術によって、ひどい記事にも広告費が落ちるシステムが作り上げられ、結果的に見出し詐欺、パクリ記事、根拠のない陰謀論が世の中にバラまかれている。インテリの巣窟のはずのTEDトークだって、デタラメばかりだ。難しい問題を超単純化したプレゼンをして、いかにも本当らしく話して人々を感心させて騙しているのである。

 だから、「デタラメを見抜く」ことが重要になってくる。なぜならデタラメが蔓延ると、「反論のコスト」が高くなるからだ。
 たとえば1998年、MMRワクチンと自閉症に相関関係があるとしたウソ論文が、有名医学誌「ランセット」に掲載されてしまった。サンプルサイズは12人という統計的に無価値の研究にもかかわらず、2010年まで「ランセット」誌は全面的に論文を撤回しなかった。

■旧型のデタラメ、新型のデタラメ
 デタラメには新旧がある。旧型デタラメは、明らかな嘘、欺瞞、エセ宗教的妄想、選挙のときにしか語られない政権公約という形を取る。だいたいこれがデタラメであることは、見ればわかるケースが多い。
 だが新型デタラメは見抜きにくい。大きな特徴は、数字と科学と統計を引き合いに出して、あたかも厳密で正確なもののように装うことだ。怪しげな主張を、数字、図、統計、画像データで箔付けする。新型デタラメは情報に数値を絡めることで、反論しにくい印象を醸し出しているのである。だが、それを見抜き反撃する方法はある。

 本書ではデータを論理的かつ定量的に考える方法を伝授する。統計学、計量経済学、データサイエンスの知識がなくても、ググる能力さえあれば、偽のデータは見抜ける!

【本書を推薦します!】
ジョージ・アカロフ(ノーベル経済学賞受賞者)
ポール・ローマー(ノーベル経済学賞受賞者)
ソール・パールマッター(ノーベル物理学賞受賞者)

内容説明

政治家は「ポスト真実」を主張し、自治体は疫学を無視した対策を立て、科学者は虚偽論文を発表する。高等教育機関は分析的思考ではなく思いつきを表彰し、スタートアップ企業は実現不能な計画でカネを引っ張り、TEDトークは難しい問題を超単純化したプレゼンで人々を騙す。広告界は見出し詐欺やパクリ記事にもカネが落ちるシステムを築いた。クリックさえ稼げればなんでもOKだ。こんな世界で真実を見抜くには?あなたの一生役に立つ「つまらない戯言に騙されない方法」を伝授する。

目次

第1章 世の中はデタラメだらけ
第2章 メディア、メッセージ、偽情報
第3章 デタラメの特徴
第4章 因果関係
第5章 数字で描くたわごと
第6章 選択バイアス
第7章 データ・ビジュアライゼーション
第8章 ビッグデータとデタラメ
第9章 科学のもろさ
第10章 デタラメを見破る
第11章 デタラメを正す

著者等紹介

バーグストローム,カール・T.[バーグストローム,カールT.] [Bergstrom,Carl T.]
ワシントン大学生物学部教授。進化生物学者。伝染病の蔓延過程を研究。細胞内の遺伝子発現からソーシャルメディア上の誤情報の拡散にいたるまで、あらゆる種類の情報の流れを研究している

ウエスト,ジェヴィン・D.[ウエスト,ジェヴィンD.] [West,Jevin D.]
ワシントン大学情報学大学院准教授。科学技術学および技術の社会的影響について研究。同大学のeサイエンス研究所にてデータサイエンス教育のコーディネーターを務める。同大学のデータラボの共同所長

小川敏子[オガワトシコ]
翻訳家。東京生まれ、慶應義塾大学文学部英文学科卒業。小説からノンフィクションまで幅広いジャンルで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

チャー

16
データ社会に氾濫するデタラメに警鐘を鳴らした本。フェイクニュースやメディアの記事等ではよく聞くが、統計の見方やグラフの表示のさせ方等、世の中に蔓延するいい加減な情報や意図的な表現を多数引き合いに出し紹介している。普段接しない桁数の膨大な数字で主張されたとき一瞬無意識的に受け入れてしまうことも多いが、冷静にフェルミ推定の手法を使い自分で試算することで、内容があり得ない数字かそうでないかに気付くことができるという主張は大いに納得。偽陽性や偽陰性、数えられなかった数値や報告されなかった数値を想像することが重要。2021/11/27

Ujiro21

12
通勤用に。データサンプルの有効性や切り取って引用される際の思惑など、ぼんやりと感じている事をユーモアを踏まえつつデタラメであると言ってくれる一冊。p値での説明はちょっとハードル高く消化不良。それでも、査読論文すらも雑誌のヒエラルキーと中身のデータからそれなりの物があったりとタイトルのデータ社会の嘘は腑に落ちる。データの見せ方を都合よくミスリード、グラフィカルな背景で関連性を示したり。身につまされる。誠実に生きていたいなと思う。2024/05/15

turtle

9
読み応え抜群でした。 ある意図を持って作られたグラフや図の例がふんだんに盛り込まれ、その意図を見破るには、正しい比較が行われているか、話がうますぎないか、数字の桁は合っているか、などに注意する必要があると教えてくれます。 難しい印象のあるフェルミ推定についても簡単な計算方法が示されており、もう少し勉強してみようかな、という気にさせてくれます。 それにしても、ディープフェイクなどの技術がどんどん進化していくと、いつ我々もロシア国民のように国に騙されてしまうか、わからないです。2022/05/07

読人

5
ワシントン大学の講義内容がベースということなので、よくある統計に騙されない本、的な軽い内容かと思ったら思いの外しっかりした内容で大変参考になった。冒頭の数値の扱い(絶対値vs比率)や相関と因果の取り違いは割りと知られているが、選択バイアスやGIGOの豊富な実例、P値ハッキングなどは参考になる。特に出版バイアスが原因でP=0.05以下の論文でも単なる偶然になる可能性は、きちんと意識しておかないとダメだなぁと感心した。この講義を受けられる学生が羨ましい。手許においておきたい一冊。2023/06/15

竜玄葉潤

5
ここで出てくるデタラメは、テレビや雑誌で分かりやすくみせるテクニックとして使ってるものも多い。悪意なく使っている人も多い気も、それだけに厄介かも。2021/08/30

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