出版社内容情報
●初の体系的テキスト
「地政学リスク」「地政学的には――」など地政学という言葉が氾濫しています。だが、日本において地政学は戦後長らく、軍事と結びついた学問としてタブー視され続け、学問としては未成熟で体系的なテキストすら存在していません。国際関係を語るにおいて地政学という切り口は欠かせないものとなっているにもかかわらず、明確に定義されることなく曖昧なまま各人各様に使われてきたのです。本書では、地政学を「国家間および国際社会に関する一般的な関係を、地理的要因から理解するための枠組み」と定義。地政学の基本的な考え方を解説し、今日の世界情勢のとらえ方を身につける初めてのテキストです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
owlsoul
5
1859年、ダーウィンによって『種の起源』が発表され、これが西洋の科学の基盤に「適者適存」や「弱肉強食」といった思想を浸透させていく。そのような状況のなかで地理学と社会進化論は融合され、地政学の基礎となった。近代地理学の主要人物はドイツに集中しているが、それは彼らが歴史のうえで土地争いの悲劇を繰り返し経験してきた結果といえる。地政学はシー・パワー(海洋国家)とランド・パワー(大陸国家)の二つの系譜に大別されるが、特にランド・パワーは陸続きで近隣諸国と接触しているため、他者共存を困難とする世界観を持つ。 2022/08/03
バルジ
3
モーゲンソーに「エセ科学」と罵倒された地政学に関する概論書。学問的な批判に基づいた論集となっていて漠然とした「地政学」の相貌がくっきりと見えてくる。果たして本書の読後感は「地政学は学問なのか?」という疑問である。マッキンダーやハウスホーファー、スパイクマンといった著名な主唱者は、皆現状分析と政策提言のフレームとして地理を応用していたに過ぎなかった。対外政策を説く上で不変的な原理である地理に基づくと増す説得力は「地政学」として為政者を飲み込む。古典地政学の魔力は時を越えて人々を魅了するらしい。2021/12/28
fishsoda
1
体系的に学ぶのに丁度良かった。何冊かの入門書を経てから臨むと、この本のカッチリした知識が心地よい。2022/09/12
numainu
0
評価B2025/05/12
彗星讃歌
0
地政学とは何かという問いへの明確な回答である。3~7章でマッキンダーやマハン等の地政学の著名な学者達や彼らが提唱した概念を分かりやすく解説し、8章以降で現代の地政学や政策について述べている。ハートランド,エアパワー,リムランドといった難解な地政学の概念が非常に分かりやすく解説されており、初学者にぴったりである。邦訳ではどの本を読めば良いかもかかれているため、詳しく知りたいならそれらを読めば良い。地政学を学びたい人はまずこれを読むべし。2021/04/28