出版社内容情報
辺境の島国イギリスが、なぜ覇権国家になり、現代になっても衰退しないのか? 数々の危機を乗り越えてきたしぶとい国の背景を解明。
内容説明
ブレグジット(英EU離脱)がどのように進むかで世界中の注目を浴びているイギリス。本書は、辺境の弱小国イギリスが、産業革命ではなく金融業によってヘゲモニー国家になり、現在もそのおかげで衰退していないことを明らかにする、従来のイメージを逆転させるユニークなイギリス史。政治から経済まで様々な知られざるエピソードを交えて大国に成り上がるまでを解明する。
目次
第1章 辺境の島国―百年戦争敗北からの出発
第2章 自立への道―大航海時代と帝国への始動
第3章 台頭の時代―オランダのヘゲモニーを奪う
第4章 例外的な経済システム―フランスとの競争からヘゲモニー国家へ
第5章 経済成長の虚と実―世界のヘゲモニー国家へ
第6章 アメリカのヘゲモニー下のイギリス
著者等紹介
玉木俊明[タマキトシアキ]
京都産業大学経済学部教授。大阪市生まれ。1987年同志社大学文学部文化学科卒。93年同大学院博士課程単位取得退学。96年京都産業大学経済学部講師、2000年助教授、07年教授。09年「北方ヨーロッパの商業と経済1550‐1815年」で大阪大学博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サトシ@朝練ファイト
22
17世紀の経済はオランダだったっけかな?イギリスはフランスの一部で・・・、昔うろ覚えていた事をひっぱり出しながら読みました。2019/10/20
スプリント
14
地の利を活かし、血の利で欧州各国と渡り合ってきたという印象のイギリスです。 EU離脱により世界からポジションにどのような変化がでるでしょうか。隆盛に向かうイメージは残念ながらありません・・・。2019/10/21
紫の煙
14
ヨーロッパの辺境、フランスの一部でしかなかったイギリスが、島国となり大航海時代を経て、覇権国家となり二度の世界大戦の後、没落。しかし、金融国家としてしぶとく生き残り、今また、ブレグジットにより新たな道へ進もうという長き過程を読んだ。確かに、英語が世界共通言語となっているのは強い。フランスとは対照的。2019/10/19
Yuki2018
6
イギリスが覇権国家だったのは、ナポレオン戦争が終わった1815年頃から、第一次世界大戦までと、以外と短い。当時から大した産業はなく、今もない。産業革命時の主役だった棉織物もインドを超えたことは無い。にも関わらず覇権国家となったのは、海運業や金融業の力によって、世界の成長がそのまま帝国の利益になる構造によるもの。今や一島国となったイギリス。既にイギリス連邦自体の必然性はなく、さらに、EU離脱に関するスコットランドやアイルランドとイングランドの方向性の違いから、バラバラになる可能性すらあるという。2019/09/07
ta_chanko
6
ケルト人の時代、アングロ・サクソン人の七王国、デーン人の北海帝国、ノルマン・コンクェスト、フランスにまたがるアンジュー帝国(プランタジネット朝)、百年戦争後の島国の時代、ピューリタン革命後の海外進出へ…。そしてスペイン・オランダ・フランスとの争いに勝利して大英帝国が繁栄。その間、産業革命がおこって「世界の工場」となったが、真の繁栄は19世紀に蒸気船の定期航路・鉄道・電信・海底ケーブルを世界中に整備したことによる「手数料資本主義」の完成後であった。2019/08/20