私が作家になった理由(わけ)

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私が作家になった理由(わけ)

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  • サイズ B6判/ページ数 223p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784532176532
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「初めから狙ってたんでしょ、小説家を」ちがうのだ。83年の人生をユーモラスに時に毒をはきながら軽妙に綴る自伝的エッセイ集!都会的な短編小説の名手としてだけでなく、多彩な貌を持つ作家がみずみずしい文章で綴った自伝的エッセイ集!
エスプリの効いた文章は自己を通した時代に対する批評となり、時にユーモアを交えて辛辣な毒も見え隠れする。

早稲田大学の文学部で学び、卒業後は給料を得て習作するのに適している国会図書館に勤務し、退職して物書きに転身、文学賞をえて作家になる――小説家になる典型と言ってよいほどのコースを歩んできた作家が「初めから狙ってたんでしょ」と聞かれると、ちがうのだと否定する。小説を書くことも注文を受けて初めて筆をとったのであり、若い頃から志していたわけではなく、小説家になる能力など、備わっていない、と思っていたと綴る。でも、83年の人生を振り返ってみると……志していなかったにもかかわらず、小説家になるための経験を思いもよらず積んでいたのではないか。その一場面一場面を綴っていくことによって、作家に「なってしまった」理由が浮かび上ってくる。軽妙なタッチゆえにくぐりぬけてきた時代への風刺も洒脱で、いかにも阿刀田さんらしい"自伝"が編まれた。創作秘話も満載で、デジタル化の波に翻弄されている文学、そして本への尽きせぬ思いも随所に。楽しく読んで腹にずしりとくる、そんな文学論にもなっている。

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読書好き/双子の兄/父の思い出/軍国少年/子どもの本/落語全集/百人一首/大発明家/ユニークな先生/若い日の読書/朝鮮戦争/ギリシャ愛/帝都名画座/心の明るさ/肺結核/療養生活/小説家の原点/授業料滞納/卒業まで/文学の本義/就職

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司書/三帖一間で/ゲーテ図書館/安月給/結婚/著述家に転身/モチーフ/異端/初期短編/創作の手法/技あり

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ギリシャ神話/旧約聖書/新約聖書/生きる力/取材旅行/イスラエル/ハンニバル/歴史の意志/タイからの帰途/テレビに出演/長編歴史小説/酒場談議/直木賞の選考/人間を描く/星新一さん/自宅マンション

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自国の言葉/国語審議会?/国語審議会?/井上ひさしさん/国際ペン/高行健さん/莫言さん?/莫言さん?/外国語

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朗読/大震災?/大震災?/原子力災害/山梨県立図書館/読書離れ/書き込み/ダイジェスト?/ダイジェスト?/ダイジェスト?/夏目漱石?/夏目漱石?/小説とは?/小説とは?/究極の理想/座右の銘

阿刀田 高[アトウダタカシ]
著・文・その他

内容説明

84歳の作家が“小さな説”で来し方を振り返る。人生の説明のつかなさこそ、いとおしくて面白い。

目次

1(読書好き;双子の兄 ほか)
2(司書;三帖一間で ほか)
3(ギリシャ神話;旧約聖書 ほか)
4(自国の言葉;国語審議会 ほか)
5(朗読;大震災 ほか)

著者等紹介

阿刀田高[アトウダタカシ]
1935年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。79年「来訪者」で日本推理作家協会賞、同年、短編集『ナポレオン狂』で直木賞。95年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞。著作は多数。日本ペンクラブ会長、文化庁文化審議会会長、山梨県立図書館長などを歴任。2018年、文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

172
阿刀田 高は、永年に渡って新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、日本経済新聞に連載された「私の履歴書」をメインとした自伝的エッセイでした。「私の履歴書」として書いたせいか、著者の老いのせいか解りませんが、キレがなく、ブラック・ユーモアが少ないのが残念です。2019/02/24

takaC

50
残念かな、目新しいエピソードがなかった。2019/01/24

takaC

45
こないだ読んだ時に感銘を受けたわけではないのだけどなぜか再読。2019/04/04

ゆーり

28
阿刀田高は中高校生の頃に夢中になって読んだ。話の端々に今でいうトリビア満載で、博識の人という印象があった。彼の半生を私はよく知らなかったが(国会図書館に勤務してたことだけは知ってた)湧き出る小説のアイデアの元はメモだそうで、話の核にならないものでも、ちょっとした会話などに使えるとか。生真面目な人らしく、緻密に話の筋を計算し、取材も綿密に。最近は死を意識することが多くなってきたと言う。AIは死ぬ事が出来ない。人間の営みは全て死を意識するからこそ中身を濃くしてきた、と。氏のこれからの作品を注目していきたい。2019/03/02

ちゃま坊

16
エッセイ集。昔ショートショートランドという雑誌を愛読していたころ、阿刀田氏はそこの常連作家だった。いつもの街の図書館で講演会があった。幸福の神様の話をされたのを覚えている。博識で話が面白くわかりやすいというのがこの作家さんの印象。そうだったシンプルなのがベストだった。2022/04/25

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