自壊の病理―日本陸軍の組織分析

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自壊の病理―日本陸軍の組織分析

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  • サイズ B6判/ページ数 320p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532176204
  • NDC分類 396.21
  • Cコード C3031

出版社内容情報

昭和陸軍が、戦略なき選択とガバナンスの崩壊によって自壊していく悲劇を解明。『失敗の本質』の次に読むべき待望の書がついに刊行●名著『失敗の本質』の著者による昭和陸軍論
本書は、『失敗の本質』『戦略の本質』のメンバー戸部良一氏による本格的昭和陸軍論。
「戦前の陸軍は権力をほしいままにして対英米戦争に突入した」というステレオタイプな歴史記述に異議を申し立て、歴史家としての事実に基づいた分析を行う。「東条英機は縦割り組織に縛られリーダーシップは発揮していなかった」「大正期の肩身の狭さの反動が昭和陸軍暴走の遠因だった」「陸軍が主導した日独同盟は英米戦を視野に入れていなかった」など、従来の歴史書では得られなかった新たな発見が得られる知的興奮の書です。

序 章 昭和陸軍・自壊の病理

 第?部 戦争指導――戦略とガバナンスの不在  
第1章 戦争指導の三つの視点

第2章 戦争指導者としての東條英機――戦略と権力の不在

第3章 辻政信――優秀なれど制御能わざる人材の弊害

第4章 勝敗なき戦場――華中日本軍の膠着

 第?部 変質――政治化のメカニズム
第5章 統帥権独立の呪縛

第6章 政治化の伏線――大正期陸軍軍人の意識構造

第7章 陸軍軍人はなぜ政治化したのか――戦前日本の政軍関係
 
 第?部 漂流――大局観なき対外政策
第8章 「国民政府ヲ対手トセズ」――近衞声明の謎

第9章 陸軍の日独同盟論――対ソ軍事バランスへのこだわり

第10章 独ソ不可侵協定は想定外だったのか――「複雑怪奇」の舞台裏

第11章 構想力なき戦争――大東亜戦争のなかの支納事変

戸部 良一[トベリョウイチ]
帝京大学文学部教授
1948年生まれ。京都大学大学院博士課程単位取得退学、博士(法学)、防衛大学校教授、国際日本文化研究センター教授を経て、現在、帝京大学文学部教授。
【主な著書】『失敗の本質』(共著、中公文庫)『ピース・フィーラー』(論創社)『逆説の軍隊』(中公文庫)『日本陸軍と中国』(ちくま学芸文庫)『戦略の本質』(共著、日経ビジネス人文庫)『国家経営の本質』(共編著、日本経済新聞出版社)『外務省革新派』(中公新書)『近代日本のリーダーシップ』(編著、千倉書房)

内容説明

「東条英機は独裁者だったのか」「なぜ近衛声明を出してしまったのか」「大正期に肩身が狭かったはずの軍人がなぜ変貌したのか」―。素朴な疑問に答え、日本を敗戦に導いたエリート集団の失敗のメカニズムを、史実に基づいて解明する待望の昭和陸軍論。

目次

昭和陸軍・自壊の病理
第1部 戦争指導―戦略とガバナンスの不在(戦争指導の三つの視点;戦争指導者としての東條英機―戦略と権力の不在;辻政信―優秀なれど制御能わざる人材の弊害;勝敗なき戦場―華中日本軍の膠着)
第2部 変質―政治化のメカニズム(統帥権独立の呪縛;政治化の伏線―大正期陸軍軍人の意識構造;陸軍軍人はなぜ政治化したのか―戦前日本の政軍関係)
第3部 漂流―大局観なき対外政策(「国民政府ヲ対手トセズ」―近衛声明の謎;陸軍の日独同盟論―対ソ軍事バランスへのこだわり;独ソ不可侵協定は想定外だったのか―「複雑怪奇」の舞台裏;構想力なき戦争―大東亜戦争のなかの支那事変)

著者等紹介

戸部良一[トベリョウイチ]
1948年生まれ、京都大学大学院博士課程単位修得退学、博士(法学)、防衛大学校教授、国際日本文化研究センター教授を経て、帝京大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えちぜんや よーた

105
東條英機の性格は10年くらい前にビートたけしさんが扮したドラマでなんとなくは知っていた。杉山参謀総長いわく「真面目すぎる」と。なるほどその通りのことが書かれている。彼は一時、首相・陸相・内相・参謀総長と権力の中枢を握っていた。しかしヒトラーやスターリン、ルーズベルト、チャーチルのように独裁者または巨大な権力者に見えないのは、各省や統帥部の間で「調整役」をしていたに過ぎないエリート官僚だったからのように読み取れる。良し悪しは判断しかねるが、東條自身は何か巨大な世界構想があったわけではなかったと思う。2017/11/16

泰然

25
組織論を通して見る、大戦前後の旧陸軍の自壊のブロセスの考察は実に見事な焦点だ。ヴィジョンの欠落、戦略やガバナンスの不在はもちろんなのだが、大正デモクラシーや政党力、更には欧州初の総力戦の登場で、旧陸軍は理想と存在感低下の狭間にあった点の論考が良い。優秀な軍事プロフェッショナルの彼らが「社会規範教育者」としての軍隊の考えを持ち、積極果敢、率先垂範の精神のもと失態を続ける姿は現代社会にも重なる。作戦遂行や平時の行政運営では優秀だった面々が次第に崩壊したのは、優秀であるが故の再学習による構想力欠如かも知れない。2020/08/27

小鈴

24
論文集ですがすべて読みました。予約が入らなければ借り続けられる図書館本を2ヶ月借りてしまった。多くの人に読まれてほしい本なのに誰からも予約が入らなかったおかげで読み切れました(笑)。この本を読んで、なぜ日本が戦争をしたのか一番わかったような気がします。歴史の記述を積み重ねた本よりも分かりやすいのは組織分析を通して記述しているからだ。あの有名な失敗の本質も読みたいと思います。借りっぱなしの私が言うのもなんですが購入して読む価値有りです。論文なので以下、章別にメモ&まとめます。 2017/12/15

小鈴

18
第5章統帥権独立の呪縛、第7章陸軍軍人はなぜ政治化したのか、から統帥権の歴史と運用の問題を中心に。統帥権独立制は1878年に陸軍省から参謀本部が独立して設置、当時の太政官政府と同格に。統帥機関である参謀本部は天皇直属に。なぜか。竹橋事件(近衛兵の不満爆発)を重く見た山縣有朋は背景に自由民権運動の影響があると分析。そのため、軍人が政治の影響を受けないため、「軍が政治化することを防止するための制度的措置」として統帥権が独立された。この制度の明快な説明がないと同時に反対した記録もない。「統帥権独立は軍が政治に→2017/10/26

小鈴

16
第9章「陸軍の日独同盟論ー対ソ軍事バランスへのこだわり」日独同盟構想の出発点は満州事変後の対ソ軍事バランスの悪化。34年6月時点で満州、朝鮮に駐屯日本軍の陸上兵力は極東ソ連軍の三割。とはいえ満州事変によって直接対峙状況が出現したのでソ連が軍拡したからだが。軍事的劣性を補う外交的措置は英米関係の改善とドイツとの提携。支那事変勃発。対ソ戦備を弱体化させない範囲で中国に一撃を与えて短期解決を図る→長期化、泥沼化→対ソ軍事バランスの更なる悪化を防止するため軍備拡充を痛感するができない→ドイツとの提携強化に傾く。2017/12/16

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