小説 日本博物館事始め

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532171421
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

上野のお山に日本初の博物館を作った男は、新政府で出世を阻まれた旧薩摩藩士だった。明治150年を前に贈る文化をめぐる維新物語。 明治15年、現在の東京国立博物館が竣工した。外交官の道を断たれた男の、もうひとつの夢の実現でもあった。
 ――御一新とともに、寺や城は壊され、仏像や書画骨董が海外に流出していく。「日本が生き残る道は西洋の物真似しかない」と多くの人は信じているが、文明開化の時勢に流されて、日本の美と技をうち捨ててはおけぬ。自分ひとりでもミュージアムを創る。留学中に観た大英博物館のようなミュージアムを――
 旧物破壊・廃仏毀釈の嵐に抗い、大久保利通、島津久光、岩倉具視など新政府の錚々たる面々が相見え火花を散らす政争に巻き込まれながらも、粘り強く夢を形にした官僚、町田久成。幕末には薩摩国主の命で英国に留学した経験も持つ男を主人公として、維新の知られざる側面に光を当てたユニークな歴史小説です。
 この本を読みながらの東京・下町散策もオススメ。特に、お花見や博物館・美術館での展覧会などで、上野公園を訪れる方には必携の一冊です。

第一章 出処進退

第二章 人力車に乗る仏像

第三章 鶴丸城の怒号花火

第四章 金印と金鯱

第五章 暗転

第六章 桜曇

西山 ガラシャ[ニシヤマガラシャ]
作家
1965年名古屋市生まれ。南山短期大学卒業。2015年『公方様のお通り抜け』で第7回日経小説大賞を受賞し作家デビュー。本作は受賞第一作。

内容説明

御一新とともに、寺や城は壊され、仏像や書画骨董が海外に流出していく。「日本が生き残る道は西洋の物真似しかない」と多くの人は信じているが、文明開化の時勢に流されて、日本の美と技をうち捨ててはおけぬ。自分一人でもミュージアムを創る。留学中に観た大英博物館のような―旧物破壊・廃仏毀釈の嵐に抗い、新政府内の政争に巻き込まれながらも、粘り強く夢を実現させた官僚、町田久成。明治150年を前に贈る、日本文化の維新の物語。日経小説大賞受賞第一作。

著者等紹介

西山ガラシャ[ニシヤマガラシャ]
1965年名古屋市生まれ。南山短期大学卒業。2015年『公方様のお通り抜け』で第7回日経小説大賞を受賞し作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

がらくたどん

56
永井紗耶子さんの『秘仏の扉』を読みながら。国立博物館の初代館長町田久成は薩摩の家老職の出自で英国留学も果たした秀才ながら明治政府にあっては官職流浪の民。海外貴賓を手厚く接待しすぎと外務省を罷免され帝国大の前身南校に飛ばされる。無惨に遺棄された仏像を拾った事から彼の第二の人生が。英国で目にした古い文化財を保存するための博物館を日本に造りたい!博物館の予算獲得の見返りに要求されたのは元の主君島津公を東京に移住させること。頭を下げ腰を折り、博物館の完成と共に彼の官僚人生は燃え尽きる。役目を果たして去る人生だった2025/03/02

ひなきち

22
上野といえば博物館、美術館、動物園…。そのなかのひとつ東京国立博物館造成に、先駆けとなって尽力した人物がいた。「博物館」という概念がなかった頃の話である。近代日本の知らなかった部分を垣間見れて面白かった。ただ、淡々と進みすぎて、物語における大きな山(起承転結の転みたいなもの)がないため、なんとなく物足りない。題材も良く、書き方次第で大きく化ける作品ではないかと思った。2017/06/21

ミミネコ

12
日本に初めての博物館を作る話し。今は当たり前にある「博物館」という概念すらない時代があったんだ、と改めて思った。勉強にもなったし、面白かった。2021/07/13

Christena

10
町田久成が上野に日本初の博物館を造るまでの話。廃藩置県もこれからという時代、日本はパリ万博に江戸幕府、薩摩藩、佐賀藩でそれぞれ出展しているが、その薩摩藩として参加した経緯もあり、廃仏毀釈の流れに逆らって仏像や日本の文化財を保護したいという強い想いで、博物館プロジェクトが始まる。が、あまりにも淡々と進みすぎて説明が足りないような、小説としても物足りないような感じがした。2017/05/28

クサバナリスト

10
たまに出掛ける東京国立博物館。その創設に関わる物語。主人公の町田久成は薩摩藩英国留学生15人のひとり。ここでもその時の留学が後世に大きなものを残すきっかけとなった。最後はストーリーに有名人を無理矢理押し込んだようになって残念。2017/05/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11584296
  • ご注意事項

最近チェックした商品