野いばら

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  • サイズ A5判/ページ数 284p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532171124
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

21世紀の英国。静かな田園地帯の丘に波打つ白い花の群生の清清しい香り。150年前、生麦事件直後の横浜で幕府の軍事情報探索の命を受けた英国軍人がいた。彼の日本人女性への秘めた想いが、日本原産の清楚な花を、欧州で蘇らせたのか―妻と別れ心にぽっかり穴のあいた縣和彦が種苗会社のM&Aの調査中、偶然手にしたかつての英国軍人の手記には、吹き荒れる攘夷の嵐に翻弄されながらも、自らの本分をひたむきに貫くしかない多くの名もなき人達が生きていた。手記に心奪われた縣はやがて未来へ一歩踏み出すきっかけを見いだす…グローバリズムの時代を生きる寄る辺なき現代人へ、はかなくて烈しい、時をこえた愛の物語。第3回日経小説大賞受賞。

著者等紹介

梶村啓二[カジムラケイジ]
大阪外国語大卒。『野いばら』で第3回日経小説大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

101
第三回日経小説大賞。現代の英国から幕末への旅だが、本編全体が醸し出す上品な雰囲気に戸惑っていた。縣という一人の日本人が偶然手にしたノート。そこに記されていたのは英国人が見た幕末の日本人との心暖まる交流。ユキという名の武家の娘の立ち居振舞いが凛としてとても香しい。エバンスと交わす会話もなぜか清楚で心が洗われるよう。だが時代は残酷で二人を引き裂く。「音楽と花は似ている」繰り返し綴られるこの言葉で読者に伝わる哀しみ。ユキが最後に示した決意のような潔さが、野いばらの白さとともに心に刻み込まれるそんな作品だった2013/08/17

chimako

87
好みの物語だった。イギリスのいなか道を走るフォードのエンジントラブルが主人公縣(あがた)を維新直前の恋物語に出会わせる。助けてくれた婦人の家で彼は150年前の日記を渡される。「出来れば日本人に読んでほしい」と但し書きされたそれは、植物の売買を仕事とする縣にとって思い入れのある、心を揺さぶられるようなノートだった。元々のノートの持ち主は維新前の日本に渡った英国軍人エヴァンズ、日本の情勢をキャッチし国知らせるのが役目。日本語教師として雇われた由紀との物語が本の中枢をなす。野いばらの群生、見てみたい。2020/11/15

まさ

30
梶村さん2冊目。動乱の幕末を舞台とした恋物語でした。それぞれに役割はあっても、止められないものがある。静かではあるけど奏でられる調べ。野いばらの園の中、時間は止まればよいのに。切なさを抱いて読了。2022/05/27

ぴかけ

28
幕末を舞台にした英国軍人と日本女性の悲恋を描いた美しい物語でした。タンポポの綿毛、バッハの音楽、野いばらが、時間と空間を交錯する物語に静寂な趣を添え、儚い情感を感じさせました。詩的な響きを持った文章が大変印象的で、抒情的な読後感でした。2012/10/21

それいゆ

23
第3回日経小説大賞受賞ということなので読んでみましたが、読了まで思ったよりも時間がかかりました。文章がとても繊細で美しくて映像を観ているかのような印象でした。エヴァンズとユキのまどろっこしい感じの恋も素敵なんですが、なぜかのめり込むことができませんでした。野イバラがどんなものかよく分からないのですが、「清楚な一重の小さな白い花弁が黄色い芯を囲んでいる。花弁は五弁しかない。親指の先ほどの可憐な白い花が房状に十ほど集まり、それが木の全体を覆っている。」ユキのイメージとオーバーラップさせながら読みました。2012/05/13

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