出版社内容情報
日経朝刊の文化面で紹介され大反響を呼んだあの自費出版本が、ついに日本経済新聞出版社から刊行!ひとりの主婦が、家事と介護のかたわら18年かけて完訳した珠玉の54帖。
「私は母の傍にいて、母がうとうと夢のように眠っている僅かの間、かねてやり掛けている『源氏物語』の口語訳を、少しずつ続けていった。」―「はじめに」より
【原文に忠実な、読みやすい口語訳】
底本は『日本古典文学大系』(岩波書店刊)所収の三条西家証本。作家版の『源氏物語』とは異なり、訳者の思い入れを排した原文に忠実な口語訳なので、紫式部の世界をそのまま味わうことができます。
【病親の介護をしながら自力で完訳】
訳者の榮子氏は、主婦業をこなしたうえに、母親の介護をしながら『源氏物語』の口語訳に励み、18年かけて原稿用紙4,000枚を超える作品を完成。2005年に80歳になったのを機に、自費出版しました。
【新聞記事から口コミで話題沸騰】
その功績が、日経『文化』面で取り上げられると、「ぜひ読みたい」という要望が殺到。『源氏物語』千年紀である2008年に刊行が実現しました。開きやすいソフトな製本、端正な装丁で『源氏物語』にふさわしい上品な仕上がりです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハル
3
二年二ヶ月越しで漸く読破。馴染み無い日本語に四苦八苦。それでも前半は展開が早く面白い。光源氏の記述では類稀な美しさと才能を兎に角褒めちぎる。世では遊び人と印象付けられているが意外に一途な所もあり、つい忘れられぬ女の面影を追ってしまう。のだが基本的に女好き。この時代の男が恋に積極的なことや、女の呆れるほどの奥床しさに本当に同じ国だろうかと不思議な思いがする。仏教の影響が色濃いのも印象的。また世間体を気にする様子も多く見受けられ憂き世のあれこれに思い煩う姿は現代人とあまり変わらない気がするけれど、(…続く↓)2014/12/20
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