内容説明
日経アジア賞(文化部門)受賞作家、初の邦訳。熱帯の深き哀しみを詩情とユーモアで彩った南太平洋文学の金字塔。中年公務員が部下の若い娘との不倫の末、妻に射殺されるまでの顛末を描いた「独立宣言」ほか、サモアの文豪アルバート・ウェントの魅力が一杯につまった九つの中・短篇を収録する珠玉の作品集。
著者等紹介
ウェント,アルバート[ウェント,アルバート][Wendt,Albert]
南太平洋文学で最も重要とされるサモア人の作家、詩人。1939年、西サモア(現サモア独立国)の首都アピアに生まれる。ニュージーランドに留学し英語を習得、のちに大学院に進み歴史学を修了した。故郷に戻り教師として働きながら本格的な執筆活動をはじめ、異人種間結婚を描いた自伝的小説「Sons for the Return Home」(1973)で作家としてデビューした。その後も、西洋の植民地主義によって生じた社会的矛盾や、伝統と新たな価値観のあいだに揺れ動く南太平洋の人々の姿をユーモアと詩情あふれる文章で描きつづけ、数々の文学賞を受賞した。74年からフィジーのサウスパシフィック大学で太平洋文学を教えていたが、87年にクーデターが起きると、ニュージーランドに拠点を移し、オークランド大学で教鞭をとった。オセアニア芸術協会、マオリ作家芸術家協会のメンバーとして太平洋に広がる口承文学の伝統護持のために尽力し、2004年にはその長年の功績に対し、第九回日経アジア賞が授与された。現在はハワイ大学の客員教授を務めている
河野至恩[コウノシオン]
1972年静岡県生まれ。2003年米国プリンストン大学大学院比較文学部博士課程修了。専攻は近代日本文学、英文学。ウィスコンシン大学などで教鞭をとった後、現在は上智大学国際教養学部講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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