自由の樹のオオコウモリ―アルバート・ウェント作品集

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  • サイズ B6判/ページ数 259p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532170714
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

日経アジア賞(文化部門)受賞作家、初の邦訳。熱帯の深き哀しみを詩情とユーモアで彩った南太平洋文学の金字塔。中年公務員が部下の若い娘との不倫の末、妻に射殺されるまでの顛末を描いた「独立宣言」ほか、サモアの文豪アルバート・ウェントの魅力が一杯につまった九つの中・短篇を収録する珠玉の作品集。

著者等紹介

ウェント,アルバート[ウェント,アルバート][Wendt,Albert]
南太平洋文学で最も重要とされるサモア人の作家、詩人。1939年、西サモア(現サモア独立国)の首都アピアに生まれる。ニュージーランドに留学し英語を習得、のちに大学院に進み歴史学を修了した。故郷に戻り教師として働きながら本格的な執筆活動をはじめ、異人種間結婚を描いた自伝的小説「Sons for the Return Home」(1973)で作家としてデビューした。その後も、西洋の植民地主義によって生じた社会的矛盾や、伝統と新たな価値観のあいだに揺れ動く南太平洋の人々の姿をユーモアと詩情あふれる文章で描きつづけ、数々の文学賞を受賞した。74年からフィジーのサウスパシフィック大学で太平洋文学を教えていたが、87年にクーデターが起きると、ニュージーランドに拠点を移し、オークランド大学で教鞭をとった。オセアニア芸術協会、マオリ作家芸術家協会のメンバーとして太平洋に広がる口承文学の伝統護持のために尽力し、2004年にはその長年の功績に対し、第九回日経アジア賞が授与された。現在はハワイ大学の客員教授を務めている

河野至恩[コウノシオン]
1972年静岡県生まれ。2003年米国プリンストン大学大学院比較文学部博士課程修了。専攻は近代日本文学、英文学。ウィスコンシン大学などで教鞭をとった後、現在は上智大学国際教養学部講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Mark.jr

5
オセアニアの島国サモアの小説家Albert Wendtの作品集。(ポスト)コロニアリズム文学お馴染みの荒々しく原初的な語りと物語にキリスト教に代表されるヨーロッパ文化に対する反抗心とある種の憧憬がぶつかり合った一冊になっています。2024/05/09

渡邊利道

2
サモア出身のニュージランド(英語)作家の短編集。前半から後半に向けて時代が進んでいく構成で、口語を用いた複雑な文体でルーツを辿りつつ「現在」を再構築していくようなポストコロニアルな作品集となっている。現在の中にある歴史と、言語の中にある歴史。文化的な本来性を失った悲しみを透かし見るようにしながら、人間は人間だという喜びと諦めをユーモアでくるんだ面白さがある。 2018/10/06

Aoka

0
最初の1篇は興味深く読めたけど、他の短編でも、似たような登場人物が何度か登場したので、あまり新鮮みがなかった。2013/06/15

ドラゴン

0
ポストコロニアリズム小説。西洋化した社会の中で対応しきれずにもがき苦しむサモアの人々の日常。文明化,西洋化することが本当に豊かな生活と言えるのかどうか,考えさせられる内容。2024/01/03

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