内容説明
21世紀アメリカ最後のライバルとなった超大国・中国。下巻では経済発展の原動力となった広東と福建の門戸開放という実験からストーリーが始まる。毛沢東時代には考えられなかった人民公社解体、香港返還と一国二制度の導入といった成功を積み重ねながら、時代は天安門事件へと向かう。武力弾圧のために軍隊出動を命じた〓(とう)小平は、人民と共産党のあいだに生まれた大きな亀裂をいかにして埋めていったのか?最高の外交関係書に贈られるライオネル・ゲルバー賞、全米出版社協会PROSE賞特別賞を受賞した名著。「年間ベストブック」にエコノミスト誌、FT紙、WSJ紙等が選出。
目次
第4部 〓(とう)小平の時代―一九七八年~一九八九年(承前)(広東と福建の実験―一九七九年~一九八四年;経済調整と農村改革―一九七八年~一九八二年;経済発展と対外開放の加速―一九八二年~一九八九年;一国二制度―台湾、香港、チベット;軍隊―現代化を目指して;寄せては返す政治の波)
第5部 〓(とう)小平時代に対する挑戦―一九八九年~一九九二年(北京の春―一九八九年四月一五日~五月一七日;天安門の悲劇―一九八九年五月一七日~六月四日;逆風の中で―一九八九年~一九九二年;有終の美―南巡談話、一九九二年)
第6部 〓(とう)小平の歴史的位置づけ(中国の変容)
〓(とう)小平時代の重要人物
中国共産党の主要会議一覧―一九五六年~一九九二年
著者等紹介
ヴォーゲル,エズラ・F.[ヴォーゲル,エズラF.] [Vogel,Ezra F.]
ハーバード大学ヘンリー・フォード2世社会科学名誉教授。1958年にハーバード大学にて博士号(社会学)を取得後、日本語と日本の家族関係の研究のために来日し、2年間滞在。それからは毎年日本を訪問している。61年秋から中国研究および中国語の習得にも着手。広東省の社会変容の研究で顕著な功績を残す。67年にはハーバード大学の教授に、72年には同大の東アジア研究所所長に就任。79年に『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を発表し、日本でベストセラーに。2000年に教職から引退し、10年以上を費やして『現代中国の父 〓(とう)小平』を執筆
益尾知佐子[マスオチサコ]
九州大学大学院比較社会文化研究院准教授。専門は東アジア国際関係、および現代中国の政治・外交。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。日本学術振興会特別研究員(DC1、海外、PD)、日本国際問題研究所研究員、エズラ・F・ヴォーゲル教授研究助手、早稲田大学現代中国研究所講師などを務める
杉本孝[スギモトタカシ]
京都大学経営管理大学院客員教授。1974年新日本製鐵入社、上海宝山事務所、北京事務所、世界平和研究所(出向:主任研究員)、経営企画部等を経て、95年同社退職。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学(経済学修士)、ハーバード大学フェアバンク・センター客員研究員、大阪市立大学大学院教授等を経て、2011年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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