内容説明
動物に焦点をあて、俳句、短歌、詩をジャンルを越えて眺望しながら、動物がいかに日本の詩歌と美意識に大切な役割を果たしてきたかをスケッチ。機知に富み滋味深き珠玉のコラム105篇。巻末に詩歌作者の人名索引収録。
目次
馬
秋刀魚
キリン
コオロギ
とんぼ
カバ
鹿
鳩
駱駝
雁〔ほか〕
著者等紹介
小池光[コイケヒカル]
1947年、宮城県生まれ。東北大学大学院理学研究科修士課程修了。72年、短歌結社「短歌人」に入会。79年、第一歌集『バルサの翼』で第二十三回現代歌人協会賞受賞。80年、「短歌人」編集人となる。95年、第四歌集『草の庭』で第一回寺山修司短歌賞。2001年、第五歌集『静物』で芸術選奨文部科学大臣新人賞(文学部門)。04年、評論集『茂吉を読む―五十代五歌集』で第二回前川佐美雄賞。05年、第六歌集『滴滴集』で第十六回斎藤茂吉短歌文学賞。同年、第七歌集『時のめぐりに』で第三十九回迢空賞を受賞。11年、第八歌集『山鳩集』で第三回小野市詩歌文学賞受賞。07年より仙台文学館館長。読売新聞などで歌壇選者を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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5〇5
5
~「さくら友蔵+まる子」調で~ 「おじいちゃん なにしてるの?」「動物を題材にしたうたの勉強じゃよ 心の俳句のヒントにするんじゃ」「あっ そう それで役に立ったの?」「ああ 聞いてくれ 『鳴かぬなら 鳴くよウグイス ホトトギス』どうじゃ ウグイスに釣られて 頑なな心が解けて鳴きそうじゃろ?」「…おじいちゃん それはちょっと筋違いだね…」2022/01/09
つくし
4
図書館では詩歌に分類されていたこの本。身近な哺乳類、魚類、爬虫類などなど、動物たちの登場する詩歌を紹介して、その幅広さで楽しませてくれました。また著者の独特な語感、感性が輝き、ときに豆知識も披露されるエッセイの側面も。カバの章が好き。2022/09/29
メルセ・ひすい
3
15-84 ★カラス…ノアの箱舟からは先ずカラスが放たれる。手ぶらで帰還したので、オリーブの葉を銜えて戻ってきた二番手の鳩に栄光の座を譲ることになった。なにか銜えてくれば今頃はカラスが平和の使途になっていたかも。運不運また紙一重。 高浜虚子★行水の女にほれる烏かな 「カラスの行水」を逆手に取り人を食った句。 動物は日本の詩歌と美意識に大切な役割を果たし、ことに近代の歌人・俳人・詩人は、心の風景を託して固有の詩的世界をつくってきた。現代を代表する歌人が詩歌の森を散歩しスケッチした、珠玉のコラム105篇。 2011/11/15
林道真衣
1
河童があったのが笑える。2015/11/22
メデスキ
0
豆知識満載で、非常にタメになりました!