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内容説明
2008年5月、南米ボリビア、バックパッカーの最後の目的地とも言われるウニユ塩湖で、独身時代最後の旅に出、四輪駆動車に乗っていた31歳女性が交通事故に遭い、炎上死した。ある家族が遭遇した悲劇と再生への物語。
目次
1章 旅へ(燕尾服を黒ネクタイに変えて;なぜ出かけたのか ほか)
2章 悲劇との遭遇(飛ばなかった飛行機;散った命 ほか)
3章 愛そして結婚(親への報告;愛の記念日 ほか)
4章 キャリア形成(恵里子は“相棒”;“長老”との出会いも喧嘩腰 ほか)
5章 再生(癒えない悲しみ;私の再生 ほか)
著者等紹介
鹿嶋敬[カシマタカシ]
1945年茨城県ひたちなか市生まれ。高校卒業と同時に1963年日立製作所国分工場入社。1964年7月退社。1965年千葉大学文理学部入学。1969年同大学卒業と同時に、日本経済新聞社入社。生活家庭部記者として長く女性問題、女性労働問題等を取材。生活家庭部長、編集局次長兼文化部長、編集委員兼論説委員等を経て2005年3月退社。2005年4月より実践女子大学人間社会学部教授。内閣府・男女共同参画会議議員、社会経済生産性本部・ワーク・ライフ・バランス推進会議代表幹事、ワーキングウーマン・パワーアップ会議代表幹事等を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おおにし
21
著者の男女共同参画の本で長女の事故死について書かれていて、その事故がとても気になったので読んでみた。ご長女の瑛里子さんは結婚前の一人旅でボリビアを訪れ、ウユニ塩湖のツアーの途中で交通事故で亡くなられた。乗っていた四駆には屋根にガソリン入りポリタンク積まれていて、それに引火して爆発炎上、まさに「爆死」だった。給油所が少ないため車にポリタンクを積んで走行することが日常だったボリビア。しかも、生き残った運転手は逃亡して逮捕もできず。「娘はボリビアに殺された」と語る著者の無念さがひしひしと伝わってきて心が痛む。2022/09/14
とよぽん
4
親にとって、我が子の死ほど辛く耐えがたい絶望はない。まして、結納を終えて独身最後の旅行先での事故による爆死。幸せで明るい家族が、突然見舞われた悲劇から長い長い時間をかけて少しずつ再生に向かっている。父親の鹿嶋敬氏の、新聞記者あるいは学者としての著書を、かつて読んだことがある。それとは全く違う、一人の親の「鎮魂」の書だった。恵里子さんのご冥福をお祈りします。そして、ボリビアの交通機関の安全が向上することを願って。2015/08/30