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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
36
時代に翻弄される人生と向き合い、生きる。名は体を表す!を体現。母国と祖国を問う姿勢。一見派手なキャリアとは対照的に、常に安らぎを求めていたかの印象。(異なる理由ではあるが)故に、リュバ氏と川島氏の半生が、心の痛みとなったのではなかろうか。大鷹氏との出会いが、その転機なのかもしれない・・・。2014/11/22
へくとぱすかる
36
先月亡くなられた山口さんの2冊目の自伝。「李香蘭 私の半生」の内容を、ほぼ簡略になぞっているが、川島芳子の裁判記録、出演映画、歌のリストが巻末に収録されているのは貴重。時代が生み出したとはいえ、偶然が作り出した波瀾万丈としか言いようがない生涯だったと思う。53年ぶりに再会した、命の恩人とも言える幼なじみについて、巻末の年譜は、再会の翌年に亡くなったことを1行のみ記し、読んでいて、数ページ前の再会の喜びから、いきなり無常感に引き込まれてしまった。歴史はこんなにも重いのかと。2014/10/12
なにょう
17
★「私の履歴書」を書籍化。この方は大きな使命を持たされて、この世に送りこまれたのだろう。確たる自分の意思を持ちながらも、その時々に自分に与えられた役割りをしっかりと果たし、寿命を全うされた。中国の戦場での映画撮影。漢奸疑惑を晴らしての日本への引き上げ。★70年前にも人びとは大陸を右往左往していた。彼らの子孫である自分は、彼らと同じように大陸に引きつけられる。何が変わったのか。殺し合いが無くなって、お互いに助け合う時代が来た。私が大陸を闊歩する自由、この当たり前のことが実現されるまでの様々な困難。2015/11/14
mymtskd
14
日経新聞に連載した「私の履歴書」を書籍化したもので『李香蘭 私の半生』のダイジェスト版+αといった内容。エッセイのように読みやすいが、激動の時代の生き証人としての山口淑子さんの言葉は一つ一つが非常に重い。今、日本と中国が新しい展開を迎える時代のなかで、過去に中国と何があったのかを知る一つの生きた証言として貴重な内容に思う。巻末に李香蘭の年表と川島芳子の裁判記録が付録としてついている。2021/01/08
ゆき
10
川島さんつながりで絶対に読まないといけない人物だとは思ってました。川島さんは中国人だけど日本に加担して処刑されて、李さんは日本人だけど中国人のように振舞って・・・結局は日本人であったために処刑を免れた。戦争なんて無かったらこんなに自分を偽って生きる必要なんて無かったのに。2015/03/02