ぼくらの村にアンズが実った―中国・植林プロジェクトの10年

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  • サイズ B6判/ページ数 280p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532164416
  • NDC分類 653.4
  • Cコード C0036

出版社内容情報

水も木もない黄土の砂漠地帯を、緑の大地に変えていく――。日本人の国際協力事業で、稀少な成功例といわれる中国の植林プロジェクト。その中心人物が「草の根国際交流」の苦難と喜びをつづる感動のドキュメント!

内容説明

中国西北部に広がる黄土高原は、年間降水量たった400ミリ前後。毎年のように旱魃に襲われ、中国でもっとも貧しい地域の一つだ。深刻な水不足に悩むこの地で、少しでも沙漠化を食い止めようと、木を植えつづける日本人がいる。その一人が高見邦雄―NGO「緑の地球ネットワーク」の事務局長である。資金ゼロからNGOを立ち上げたものの、反日感情の強い村人から「日本鬼子!」とののしられ、ようやく根付いた苗木はノウサギの食害やアブラムシの大発生によって全滅してしまう。ことなかれ主義の共産党幹部とは大ゲンカ。失敗、また失敗の連続。だが、やがて中国でも日本でも、少しずつ仲間がふえてきた。そしていま、このプロジェクトは「大地に木を植えるだけでなく、人の心に木を植えている」と日中両国で多くの人の心を動かしはじめている。日本人による国際協力の成功例として注目を集める中国・植林プロジェクトの中心人物が、現地の村人や日本人ボランティアとともに黄色い大地に森をよみがえらせるまでの苦難の日々を感動の筆致でつづったヒューマン・ドキュメント。

目次

第1章 なんというところにきたんだ!
第2章 大地の上を砂が舞う
第3章 結果がでるには時間がかかる
第4章 「問題があれば自分が責任をとる」
第5章 黄土高原のお皿の構造
第6章 日本の専門家の参加
第7章 異質なものとして混じる
第8章 やっとみえはじめた成果
第9章 豊かさってなんだろう
第10章 植えるだけが緑化ではない
第11章 あらためて、中国の水問題

著者等紹介

高見邦雄[タカミクニオ]
1948年鳥取県生まれ。66年東京大学入学、70年中退。その後、日中の民間交流活動に従事。92年、NGO「緑の地球ネットワーク」(略称:GEN)の設立に参加し、94年から事務局長をつとめる。毎年100~120日、中国・山西省の農村に滞在して植林活動をおこなっている。99年春からメールマガジン「黄土高原だより」を発信し、4年間で200号を超えた。「緑の地球ネットワーク」の活動は国内外の高い評価を得て、2001年には中国政府から「友誼奨(賞)」、2002年には中華全国青年連合会などから「母なる河を守る行動国際協力賞」、大同市政府の「環境緑化賞」、豊かな環境づくり大阪府民会議の「おおさか環境賞・大賞」、2003年には朝日新聞社から「明日への環境賞」を受賞している
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感想・レビュー

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ジュースの素

3
中国の黄土高原は貧しく雨が少ないので作物が育たない。そんな村に木を植えて貧しさからの脱出をと日本人のNGOが動き始めるが、信頼を得るのも大変だった。マイナス30度にもなるのに暖房設備もなく、学校にも通えない子供がほとんど。 乾燥に強いアンズを植えてようようの実りを見るまでに10年の歳月が掛かった。日本から送金するにも嘘や賄賂などで大苦労。今はどうなってるだろうか、アンズの木々は。2015/12/17

あーさー

0
水不足に悩まされている中国の黄土高原にて、緑化運動に臨んだ日本のNGOの活動を綴った1冊。事態は深刻で、国が異なるゆえの人間関係の複雑さに悩まされながらも、一歩ずつ進んでいく様子が軽妙な筆致で描かれており、この本を読むと“日中関係の改善には、一縷の望みが残されている”と思えます。2021/05/03

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