出版社内容情報
破綻と再生をめぐりギリギリの決断を迫られるトップ。綿密な取材を重ね、激烈な生き残り競争を闘う頭取たちの生々しい姿に肉薄。拓銀破綻から富士・第一勧銀・興銀統合、住友・さくら合併までを描くビッグバン活劇。
■目次
第一章 落 城
「野戦の指揮官」の登場/その時、長銀は「先頭」にいた
連立方程式の解/ドンたちの祝福
“飛ばし”は許容されていた/浮上した野戦のジレンマ
金融監督当局の犯した罪/だれが危機をあおったか
なぜスイス銀行だったのか/提携演出者の存否
モルガン・グレンフェルだったら/堀江の不決断
僕たちの失敗/和の重視
ドン杉浦の矜持/無血開城/
空を切った首相の直談判/佐々波委員会の功罪
愚者と賢者と/東京地裁一〇三号法廷
第二章 残 夢
負けないゲームの誤算/負け試合のリリーフ登板
内臓はまだ傷んでいない/起死回生のバンカース提携
長銀とバンカースのすれ違い/幻に終わったベストプラクティス
やまない雨/日はまた昇るか
バトンタッチ/ポトンと落ちたボール
東京地裁一〇四号法廷
第三章 誤 算
エアポケットの激突死/SSKの呪縛
おまえのところからは頼まれなかった/同床異夢の合併交渉
破談から破綻への道行き/薄氷の営業譲渡
崩れた序列と棲み分け/札幌地裁五号法廷
第四章 模 索
あるのは正面突破のみ/「選択と集中」への対抗
起点となったビッグバン対応/一九九九年正月の決断
グループから半歩の踏み出し/微妙な温度差
亀裂の深まり/合併解消の危機
トップ人事の激震/金融戦国時代の戦略
第五章 連 衡
モデルは米地銀/なるか、都銀と地銀のシステム連合
大逆転の統合/顧客に思い知らされた銀行の原点
スーパーリージョナル宣言/第二ラウンドのドミノの起点
第六章 覇権・先手
「みずほ」への道/再編への磁力
三つのカベ/西村の非常事態宣言
素平の回想と期待/野村、第一生命との戦略提携
情を越えて救済拒否/二度見つめた山一危機
二重に絡む投機の流れ/生木を裂かれる決断
逃げない苦悩/提携の積み上げで統合の基盤築く
信無くば立たず/勝者と敗者を分けるもの
第七章 覇権・対抗
選別とスピード感/「次のステップ」の前倒し
二重の歴史認識/中坊公平との闘い
勁草の意地/異なるチャンネルへの挑戦
財閥越え/合併方式へのこだわり
決め手は職務主義の新人事制度
第八章 覇権・追撃
憶測呼んだ前頭取の退任劇/「もう一つの三行統合」の課題
四位になったスーパーバンク/すれ違った証券戦略
三菱を超えた三菱へ/信託トップのプライド
第九章 新 生
普通の銀行への船出/杞憂を抱え込んだ道のり
秋の日の歓送会/ヨーカ堂銀行の名乗り
変わる銀行、変わらぬ銀行/なお続く頭取たちの闘い
内容説明
誤算か英断か、その差は紙一重だった。金融戦国の怒濤に翻弄されながら、組織の存亡を賭け、男たちはいかに決断したのか?綿密な取材を積み重ねて描く迫真のノンフィクション。
目次
第1章 落城
第2章 残夢
第3章 誤算
第4章 模索
第5章 連衡
第6章 覇権・先手
第7章 覇権・対抗
第8章 覇権・追撃
第9章 新生