内容説明
20世紀を問う、執念のライフワーク。歴史的洞察と外交の実体験が生み出した、アメリカ外交分析の最高傑作。
目次
封じ込め政策の成功と苦悩
封じ込め政策のジレンマ
共産主義者との交渉
封じ込め政策の迂回
ハンガリー
フルシチョフの最後通牒
西側同盟とは
ベトナム、泥沼の中に
ベトナム、絶望への道
ベトナム撤退〔ほか〕
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京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kiyoshi Utsugi
34
外交が中心なので、下巻ではトルーマンの時代の封じ込め政策(これでケナンという人物を初めて知りました。)、トルーマン、ケネディ、ジョンソン、ニクソンの時代の泥沼のベトナム戦争、ニクソンの時代の米中国交正常化、レーガンの時代の冷戦の終わりが主だった話になります。 この中でもニクソンの時代は著者のキッシンジャー自体が大統領補佐官、国務長官を務めていた時代なので、一番読み応えがあります。 レーガン大統領を高く評価しているところは、ちょっと意外な感じがしました。本質をちゃんと見抜いているということかもしれません。2022/10/31
大森黃馨
8
原著が発行されたの1994年?位の冷戦終結直後よく考えてみると冷戦開始〜終結迄と以降の現在までとほぼ同じ程の年月が経ってしまっているがどうも氏の他の著書を読むと外交の世界は十年も経てば別世界なのだと思われるつまり今日はとっくに冷戦の次の次の世界が始まっていてもおかしくはない、のかもしれない この冷戦の次の世界がぼんやりと何時までも冷戦終了直後の感覚で過ぎてしまったのは明白なビジョンが見えなかったからか(そして歴史の世界は実はそれが当然の状態なのではないのか)2024/03/03
人生ゴルディアス
5
三週間くらいかかった。長かった…。けれど楽しかった。上下巻ともにもう一周したいな、とは思うけれど、そんな日は来るのだろうか。歴史的な話は別として、自国をこれだけ持ち上げる感覚は、それこそお国柄の違いなのだろう。本人的には客観的分析であり、事実としてもそうなんだろうけれど、それでも日本人としてはもにょる。近現代を通しての感想は、フランスはいつも可哀そうな役回り。ドイツ憎まれっ子すぎ。リアルポリティーくとウィルソン主義。アメリカの苛々する態度のでかさは、歴史的なお国柄なのね。2018/02/12
レコバ
3
少し前に現在の環境問題を巡る各国の駆け引きを”戦争”と評する言説を読み。レトリックに過ぎず、定義上自明な言説と判断していたが、この本を読んで少し解った気がする。外交とは利害調整のことであり、有史以来、力による妥結つまり戦争を繰り返してきたが、民主主義や核均衡により、手を上げにくいが背景にあるということだろう。こう書いて見ると酷く浅薄で既視感がある。うまく言えないが表面だけを理解する以上のものがこの本には書かれていたというのが感想になる。2014/03/19
鮫島英一
2
大学教授が優しく講義するような上巻に比べると、下巻は些か歯切れが悪い。 それは恐らく、自分が活躍した時代に近いからだろう。 良書だけに、そこだけが残念だった。2020/01/14
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- 維新革命社会と徳富蘇峰