脳は美をいかに感じるか―ピカソやモネが見た世界

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  • サイズ B6判/ページ数 443p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532149604
  • NDC分類 701.4
  • Cコード C3045

出版社内容情報

書名

内容説明

セザンヌもモネも脳で「もの」を見ていた。ミケランジェロやフェルメールに魅了される理由もわかってきた…。美術作品を通して視覚脳の仕組みが解き明かされる美しく楽しい書。名画多数収録。

目次

第1部 脳と美術の役割(本質的なものを求めて―脳からのアプローチ;本質的なものを求めて―美術からのアプローチ;「眼で見る」という神話 ほか)
第2部 受容野の美術(受容野;モンドリアン、マレーヴィチと線の傾きの神経生理学;モンドリアン、ベン・ニコルソン、マレーヴィチと正方形や長方形の神経生理学 ほか)
第3部 美術形式の神経科学的検証(顔の知覚不全と相貌失認の肖像画;色彩視の生理学;フォーヴィストの脳 ほか)

著者等紹介

河内十郎[カワチジュウロウ]
日本女子大学家政学部教授、東京大学名誉教授、文学博士。1961年、東京大学文学部心理学科卒業。1988年、東京大学教養学部教授、1999年より現職。専門は神経心理学
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感想・レビュー

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MO

8
視覚脳の権威が視覚芸術と脳の関係について解説。絵画を構成分解した現代美術を用い、脳のどの箇所が働いているか、科学的分析を通して美を捉えるのは、面白かった。しかし結果的には脳の働きが複雑すぎてなんとも言えません。というところに落ち着くのだが、こういった試みがもっと増えればいいのにとは思いました。2023/01/29

ばにき

4
神経美学の先駆け。新しくわかった脳の視覚情報処理についての知見を、美術や哲学と照らし合わせているその試みは興味深い。トップダウン的な西洋美術の制作について、哲学ではなく神経美学をもとにすることもできるのではないかと考えた。2018/12/01

どんぐり

3
「色は、受け取った情報に対して脳が実行し操作の結果である。したがって、色の真の意味で脳の所有物であり、外界の物理的現実に依存しているとしても、外界の所有物なのではない」という。この視点に立って、ピカソやモネの絵画に対して脳は美をいかに感じるかを解き明かしたもの。てっきり絵画の楽しみ方の本だと思っていたら、脳の働きに多くの紙面を割いている脳科学本だった。2012/07/12

otoya

2
芸術から見た脳科学。芸術作品を見た時に視覚情報処理が脳でどのように行われているのかについて、またそれによって考察される美とは何か、ということ。芸術家は目に見える様々な面から普遍的な、絶対的な面を切り取り、それは脳の視覚情報処理を行う部分の強い反応を呼び覚ます。全ての芸術は、脳の作用だ。という考え方。なのではないかと思った。2014/12/19

Reina SAIJO

2
美術作品の知覚(視覚)経験を脳神経科学の観点から解明を試みた著作。原著は90年代に発行なので、現在ではまた違った知見が提示されているのだろうと思う。美術作品に関する哲学的考察を、経験科学が読み解くとこんな風になるのかという面白さがあった。プラトンは、芸術作品をイデアの影(現象界)の影にすぎないと低い地位に追いやったが、知覚経験を超越したイデアという存在は、認知能力にとっては想定しても不可解なだけである。ゼキはイデアを、認知主体にそなわる、物体の恒常性をとらえようとする脳の機能としてとして理解できなくもない2014/11/26

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