出版社内容情報
なぜ生物としての性差が生まれ、男と女へと進化したのか? 動物行動学の第一人者が、進化のエッセンスをやさしい言葉で語る最新かつ最良の入門書。
内容説明
なぜ生物としての性差が生まれたのか?どうして男、女、LGBTQが存在するのか?オスとメスの差異を前提として、私たちヒトはどんな社会を目指すべきなのか?動物行動学の第一人者が、15億年の壮大な性の歴史へ読者をご案内。名著『オスとメス=性の不思議』をアップデートし、進化生物学のエッセンスをやさしい言葉で丁寧に語ります。最新かつ最良の入門書!
目次
性の起源―現代生物学の大きな謎
生き物たちの奇妙な性
性決定の機構
クジャクの羽とシカの角
雄と雌と子ども―永遠の三角関係
誰が子の世話をするのか
雌をめぐる競争
雌はどんな雄を選ぶか
雌雄から男女へ
ヒトの婚姻システム
そしてわれわれはどう選ぶべきか
著者等紹介
長谷川眞理子[ハセガワマリコ]
1952年東京生まれ。人類学者。総合研究大学院大学長。専門は行動生態学、自然人類学。野生のチンパンジー、イギリスのダマジカ、野生ヒツジ、スリランカのクジャクなどの研究を重ねつつ、人間の進化と適応の研究も行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kamekichi29
3
オスとメスの生物学的な違いや進化の仕方などを色んな生物から眺めて、最後にヒトに関して考察。 ヒトも文化の違いなどによりいろいろな考え方があるな、と思わせられた。2024/02/21
才谷
2
人間のほうが複雑で動物は単純。なんてことを言うつもりでは全く無いけど、あるところまでは人間も動物同様に雌雄で役割が決まっていたはずなのに知能を持って文化が発展するに連れ役割が変わり。遂には技術発展により男女差がかつてないほどに無くなってしまった。それでも性差自体は存在するということ。2023/11/07
まおまお
2
生物進化論からみたオスとメスの違い。性別が生まれた過程から特徴的な生物のオスとメスの違いを解説。身体構造の違いから生まれた社会制度は、文化的成熟を成し遂げつつある現在では限界に達しおおきな歪みをもたらしている。この違いを押さえていない論争は空虚なので、頭に置いとくべきだ、とわたくしは思う。2023/02/22
ももいろ☆モンゴリラン
1
再刊に際して新たに加えられた第三章が、とてもよかった。子孫に多様性を持たせるために始まった「性」は、その時々の状況で臨機応変に対応してきただけで、「何かの形が「最善」であることはない」。「LGBTQは決して異常なことではなく、大多数になることはないが必ずや生じてくる少数派」。卵子と精子の棲み分けの話も面白かった。ガラパゴス諸島のフィンチの嘴といっしょだ…!また動物の性を引き合いにだして「だから人間はこうなのだ」等といった指摘に警鐘を鳴らす。逆に生物学を全く無視して言説のも無理があると。文明を育てていこう。2024/08/26
イトウ
1
「現象を説明することと現象を肯定することが同じであると考える誤り」という部分が印象的だった。2024/05/25