出版社内容情報
英米から北欧諸国まで、いまや世界を席巻しつつあるアングロ・アメリカン型市場中心主義こそ、社会の安定性を損ない世界経済を混乱に陥れる元凶だ! 世界を代表する知性が市場万能主義の虚妄と危険性を警告。
内容説明
世界を席巻するかに見えるアングロ・アメリカン市場主義こそ、価値の多元性を否定し、経済と社会を混乱に陥れる元凶だ!グローバリゼーションの虚妄と危険性を痛烈に批判し、欧米論壇で話題を呼んだ注目書、待望の邦訳。
目次
1 『大転換』からグローバル自由市場への道程
2 国家が構築した自由市場
3 グローバリゼーションの虚実
4 新しいグレシャムの法則
5 アメリカとグローバル資本主義のユートピア
6 共産主義崩壊後のロシアのアナーキー資本主義
7 西欧の黄昏とアジア型資本主義の勃興
8 レッセフェール時代の終焉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
9
「中国では、信頼関係は家族の外まではなかなか広がらないので、ビジネスは日本において発展したような形態は取りそうにない。日本では親族のネットワークの十分外まで広がる信頼関係が普通なのである。中国本土における完全な資本主義的市場経済は、西欧の資本主義と違うのと同じくらい日本の資本主義とも違うだろう」「最近のアメリカの言説における自由市場の興隆は、目を見張るべき現象である。それはアメリカの大衆文化においてリベラリズムを非合法化してしまった。リベラルと見られることは、政治的なマイナスになっている」2018/03/07
白玉あずき
3
スティグリッツ先生の著作を読めば、この本読まなくてもいいかなあ。全編グローバリゼーション、ワシントン・コンセンサスに対する攻撃批判に終始しています。貧困の増大、社会の不平等化は国家の政策によるもの。ワシントン・コンセンサスが誤った思い込み理論の上に成り立っているとすれば、WTOなんかの方針に従わなくてもいいんじゃないかな?実際、旗振ってるアメリカの国内そのものが、貧困の増大、失業率の高さ等に苦しんでいる。アメリカのようにはなりたくない。しかし社会の連帯を壊し、家庭の崩壊を招く極端な個人主義をもグローバリゼ2012/09/10
takashi1982
2
それぞれの国において、つまりその国の文化的要件などによって資本主義の形態は様々であり得る、というのがグレイの見解だ。それは「唯一の正解」としてグローバリズムは存在しない、ということではないだろうか。グローバリズムが主張されるとき、それはその時々における最も覇権(ヘゲモニー)を握る国の社会経済思想が色濃く反映されるのであり、つまりそれは「特殊な思想の世界化」に過ぎない、ということだろう。 2007/06/18
Y.T
0
☆☆☆2017/04/03
ヨンデル
0
昔読んだ本です、整理のため登録しています。2024/05/14