日本の医療と介護―歴史と構造、そして改革の方向性

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  • サイズ A5判/ページ数 212p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784532134693
  • NDC分類 498.13
  • Cコード C3034

出版社内容情報

日本の医療制度や病院経営、医療・介護に精通した第一人者が、歴史的経緯や構造から問題の真因を探り、持続性のある改革を提言。●医師、看護師、介護関係者、製薬会社、患者、医療費を払う国民、そして政治の利害調整の上に成り立ち、非常に複雑な仕組みとなっている日本の医療介護制度の仕組みをわかりやすく解説。
●増大する医療・介護費や、高齢社会でのサービス提供体制に懸念が高まるなか、本書では、現在の仕組みの成り立ちと経緯を丹念に明らかにし、現実的かつ実行可能な改革案を探る。
●「日本の医療費が他の先進国と比べると高騰が抑えられたのはなぜか」「地域格差はなぜ生じたか」「明治維新以来、どのようにして西洋医療にスムーズに移行できたのか」「介護と医療はどう連携していけばよいのかか」「新薬オプジーボはなぜ高価格となり、そして値段が下げられたのか」など様々な具体例を盛り込みながら、現代の日本の医療・介護構造が理解できる。

1章 医師と病院の成り立ちと直面する課題

2章 医療保険制度の成り立ちと直面する課題

3章 診療報酬の仕組み――全体の概要

4章 診療報酬の仕組み――包括評価

5章 診療報酬の仕組み――薬と医療材料

6章 医療計画の歴史と課題

7章 介護の歴史と介護保険の制度設計

8章 介護保険の課題とその対応

9章 終末期ケアの特性と課題

10章 終末期ケアに対する現場の対応

11章 残された課題と改革私案

池上 直己[イケガミナオキ]
聖路加国際大学特任教授/慶應義塾大学名誉教授
1949年生まれ。慶應義塾大学卒、医学博士。慶應義塾大学総合政策学部教授、ペンシルベニア大学訪問教授、慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室教授を経て現職。専門は医療政策・管理学。著書に、『医療・介護問題を読み解く』(日経文庫)『日本の医療』(共著、中公新書)ほか

内容説明

医療・介護費急増の真因と対策を探る必読書。複雑な医療・介護保険制度の成り立ちと全体像を解明。直面する課題を整理し、長期ケア保険への再構築を第一人者が提唱する。

目次

医師と病院の成り立ちと直面する課題
医療保険制度の成り立ちと直面する課題
診療報酬の仕組み―全体の概要
診療報酬の仕組み―包括評価
診療報酬の仕組み―薬と医療材料
医療計画の歴史と課題
介護の歴史と介護保険の制度設計
介護保険の課題とその対応
終末期ケアの特性と課題
終末期ケアに対する現場の対応
残された課題と改革私案

著者等紹介

池上直己[イケガミナオキ]
聖路加国際大学公衆衛生大学院特任教授、慶應義塾大学名誉教授。1949年東京都に生まれる。1975年慶應義塾大学医学部卒業。1981年医学博士。慶應義塾大学総合政策学部教授、ペンシルベニア大学訪問教授、慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

45
日経の書評欄に載ってなければ、絶対に読まなかった専門書です。斜め読みですが、漢方から西洋医学へ漸進的に移行したため混乱が少なかったこと、10万人あたりの医師数は明治の初めと今とであまり変わらないこと、戦前は国家試験はなく医大か医専を卒業すれば医師になれたことなど歴史のトリビアが興味深かった。医療保険制度で一番の失策は田中角栄が導入した老人医療費無料化だったことも再認識。ただほど怖いものはない、ですね。診療報酬の細かい仕組みは複雑過ぎて素人には理解不能。正直関係者もどこまで理解してるんだろうか?。2017/06/26

teddy11015544

5
現在の医療制度・介護制度の仕組み、歴史が概括的に網羅できます。関係者は読んでおいて損はないでしょう。2018/08/29

ヒナコ

4
戦前・戦中期の健康保険の発生から、2010年以降の現代の医療・介護制度にいたるまで、その歴史的な変遷がコンパクトに解説されている。特に70年代の高齢者に対する医療費無料化制度の成立や、80年代の無料化の廃止、そして2000年代にDPC制度や介護保険制度が導入され病院から在宅への流れができる過程などが、具体的な診療報酬のシステムなどを通じてかなり詳しく記述されている。医療保険や介護保険、診療報酬制度やそれが各病院に与えたインセンティブの変遷を調べるうえでは、本書はとても参考になるだろう。→2021/02/09

yurari

1
改革の方向性まで記載があるのが良い。細分化された医療分野で活躍できる医師は大病院に限られる事、狭い専門領域では今後増えるであろう虚弱高齢者の医療には対応が困難であることから、一般診療に対する卒業前の教育・卒業後の研修を大学附属病院ではなく診療所等で行うべき、という改革案には納得。イギリスはこのやり方らしい。介護という言葉が普及したのは、介護保険の議論が開始された1990年代以降というのは意外。介護分野でよく聞くケアマネはその役割が利用者や家族の御用聞きとプラン作成に留まるのが実態。2021/11/06

Shu Ume

1
日本の病院で導入が進む包括評価制度(diagnosis procedure combination)は、I日あたりの包括評価であり(ただし包括額は入院期間に応じて3段階で逓減)、且つ、包括対象は入院料・薬・検査・画像診断に留まり手術料や医療材料は出来高払いである等、多くの点でdiagnosis related groupのI入院あたりの包括報酬と異なる。更に、包括評価による収益が出来高払いの時のそれを下回らないよう、調整係数を乗じて請求ができる。当然、dpc導入による日本の医療費は削減できていない2021/06/19

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