内容説明
他人の所得、格差意識、夫婦の役割分担、結婚、地域の所得水準、雇用、初めて就く職、子供時代の貧困・虐待、男と女、国際比較―。何が日本人の幸福感、健康感、生活満足度を決めているのか?経済学だけでなく、社会学、社会疫学的分析も活用し、解明。
目次
序章 主観的厚生とは何か
第1章 つい他人と比べたくなるのが人情―幸せは相対的な概念
第2章 格差社会はやはり嫌だ―所得格差と主観的厚生の関係
第3章 幸せになれる家族とは―家族関係が左右する主観的厚生
第4章 子供は親を選べない―子供時代のつらい経験の長期的影響
第5章 どう働き、どこに住むか―キャリア・居住環境と主観的厚生
第6章 ショックやストレスとどう付き合うか―所得変動ショック・仕事のストレスと主観的厚生
終章 主観的厚生の分析から見えてくるもの―研究成果をどう活用するか
著者等紹介
小塩隆士[オシオタカシ]
一橋大学経済研究所教授。1960年生まれ。83年東京大学教養学部卒業、経済企画庁(現内閣府)などを経て、2009年より現職。大阪大学博士(国際公共政策)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yurari
3
主観的厚生とは聞きなれない言葉だが、幸せは感じるものであり客観的に測定することが難しい為、あえて「主観的」と言う言葉を使っている。データが豊富で読み応えはあるが、新たな知見はそこまで得られず。→幸福や健康感自分と似た集団との比較によって左右される/貧困地域では幸福感や健康感を感じにくい(→貧困地域への支援が必要)/子供の貧困はその後の人生に及ぼす影響が大きい2021/12/04
まゆまゆ
3
これまでの経済分析では得られなかった、主観的厚生(自分の生活の全体あるいは一部に対する満足度の度合い)という分析により、社会の病理や不公平をあぶり出す。相対的所得仮説(自分に似た境遇の他人の所得と比べて満足感を得る)というのが一番しっくりきたかな。最初の就業で非正規だと今後ずっと満足度が上がらない……というのも興味深い。2014/04/30
sakase
1
仕事が非正規雇用だと、不利になるのは所得だけではない.卒業後に初めて就く職が、その後の人生に大きな影響を及ぼす. 子供が高校まで良い教育をうけられることに税金を使うべき。☆4つ。2014/06/03
ミッキー
0
経済学による行動分析の可能性を感じることが出来ました。内容としては子供の幸せについてが勉強になりました。今迄よんだ著作同様、示唆に富んでいます。そして、今、統計が注文されていますが、統計学の威力を実際に伺えるという意味で、是非とも読みたい本だと思いました。2014/06/24
ぐっさん
0
統計の結果だけでも参考になる。 統計の詳しいやり方までは理解できなかったが、他の分野の分析にも使えそう。国家の運営だけでなく、会社の経営とかにも応用できそう。2014/06/07
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