内容説明
最もわかりやすい名テキストを文庫化。心理学が拓く経済学のフロンティア。「ものぐさ」「思い込み」「お人好し」―不合理な面をもつ「普通の人間」を前提とした新たなアプローチで経済・社会・人間行動を読み解く。
目次
第1章 行動経済学とは何か?―「限界知らずの経済人間」への挑戦
第2章 人間はどこまで合理的か?―限定合理性の経済学
第3章 近道を選ぶと失敗する―信念や判断に潜む罠
第4章 プロスペクト理論―リスクが存在する下での選好理論
第5章 非合理的な投資家は市場を狂わす―行動ファイナンスの世界
第6章 人間は「超」自制的か―先送り、その場の快楽、自己制御
第7章 人間は他人の目を気にするもの―「目には目を歯には歯を」の経済学
終章 心理学的アプローチの限界と可能性
著者等紹介
多田洋介[タダヨウスケ]
1973年生まれ。1996年東京大学経済学部卒業、経済企画庁(現内閣府)入庁。ハーバード大学大学院修士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
14
新書版で結構内容紹介みたいな本がありますが、この本はそれらの本とは異なりはるかに学術的な本で行動経済学の入門にはうってつけあると感じました。最近ダニエル・カーネマンやイツァーク・ギルボアの本が訳されていて徐々にこの分野の本が増えつつあることは私にとっては楽しみなことです。それらについての基本的な考え方をこれで学んでおくと読みやすくなると感じました。2014/09/27
ステビア
13
参考文献が充実しているのが特徴。中身も丁寧な解説がなされている。2015/07/08
toji
3
先日読んだ「行動経済学の使い方」ほどには分かりやすくないし、理論側によっている。数式も出てくるので流し読みしづらく、経済学専攻でもない自分にとってはそこまではいらない。(ちゃんと読めば理解できる程度に抑えられているとは思う。)ただ、古典的な経済学との位置付けや、行動経済学も決して万能ではないことは理解できた。2020/05/10
mm71
3
行動経済学について、一部算式が難しいですが、コンパクトにわかりやすくまとめられています。伝統的な経済学が人間を①超合理的、②超自制的、③超利己的なホモ・エコノミカスと仮定して、経済活動を説明しているのに対し、行動経済学では、①限定合理性、近道選び、プロスペクト理論、②時間非整合な選考、③相互応報的鼓動原理といった修正的なアプローチで説明していることがよくわかります。2014/08/16
すと
1
一般的な経済学の考え方との違いを含めて、行動経済学を体系的に学ぶことができた。2022/05/08