内容説明
上巻で学んだ組織論と戦略論に基づき、成長、国際化、イノベーションといった企業が直面している課題を、豊富な事例を交えながら多面的に解説。多くの日本企業にとっていま重要なのは、目標の優先順位の明確化、戦略性の強化、真のゼネラルマネジャーの育成であることを指摘。弱点克服の方策を探った。巻末には、付録として「経営学の変遷―組織論と戦略論の前史」と「文献紹介」を収録。
目次
第1章 企業成長のための戦略と組織(成長の方向性;新規事業の戦略代案 ほか)
第2章 国際化のための戦略と組織(国際化の戦略;多元的国際化―ABBの事例 ほか)
第3章 イノベーション経営の戦略と組織(イノベーションのS字曲線;企業がめざす二種類のイノベーション ほか)
第4章 日本企業の経営課題(目標におけるトレードオフを解決する;戦略性を強化する ほか)
著者等紹介
榊原清則[サカキバラキヨノリ]
1973年電気通信大学経営工学科卒業。78年一橋大学大学院商学研究科博士課程修了。その後同大学で講師、助教授、教授を歴任。その間、米ハーバード大学研究員、ミシガン大学客員准教授なども歴任。92年から4年間、英ロンドン大学大学院ビジネススクール准教授を務めた後に、日本に戻り、慶應義塾大学総合政策学部教授(1996‐2011年)。現在、法政大学大学院ビジネススクール教授(2011年‐)、商学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kiyoshi Utsugi
32
・企業成長のための戦略と組織 ・国際化のための戦略と組織 ・イノベーション経営の戦略と組織 ・日本企業の経営課題 ・付録 から構成されています。 この中でもイノベーション経営の戦略と組織の中で、先日読んだばかりのリチャード・フォスターの「イノベーション」が取り上げられていたのにはビックリ。 しかもイノベーション論の古典的名著であるとのことでした。 それを今頃になって読んでいたとは…😅 最後の方でカルロス・ゴーンを持ち上げていたのですが、今頃天国で間違いだったかと反省されてるのかなと思いました。😊2022/02/17
ふ~@豆板醤
21
3。断捨離にて。アンゾフの成長マトリックス、製品ライフサイクルが懐かしい。2017/10/04
たか
6
下巻では成長戦略・国際化・イノベーションについて取り扱う。国際化の進展に伴う組織の移り変わりが興味深い。多元的国際化の段階においては組織の複雑性が高まりすぎ、未だに試行錯誤が続く状態と理解。R&Dについては基礎研究→応用研究→技術開発のリニアモデルが無意識に頭の中にあったが、基礎研究は人材や先端技術へアクセスする手段であり収益性に乏しい。またリバース・イノベーションのようにローテクからの展開もある。経営は多元的目標をもつが、そこに優先順位をつけトレードオフを整理することこそが経営者の仕事といえる。2025/02/12
大先生
5
下巻では、①成長戦略と組織、②国際化戦略と組織、③イノベーション戦略と組織、④日本企業の経営課題という形で組織論と戦略論を結びつけた説明がなされています。④では、経営者の責任に関する榊原先生の「べき論」も述べられていて面白いです。日本企業の経営者は、優先順位をつけるという経営者の責任を果たせていないことが多いと指摘されています。その他、GMのスローンに関する記述も面白いです。多分、榊原先生はスローンが好きなんでしょうね。2020/09/30
葉月たまの
5
為になった! 企業を個人と考えると、わたしも色々思うところ、あった! それに経営学は一応、知識あっても、生活していく上で損はしないしね♪。この本自体はすごーい分かりやすかった♪。経営学も楽しいから、また何かそのうち、読んでみよ♪。割と日系文庫の本は、経営学とか学ぶのに外れないレーベルかなあ、と思った♪。目標決めるのと戦略決めるのは、企業だけでなく、個人のキャリアの上でも大事だよね♪。2014/04/16