内容説明
信託法が80年ぶりに改正されました。改正の背景や他の法制度等にも触れながら、体系的にわかりやすく説明しています。信託についての予備知識をもたない読者に配慮し、専門用語には解説を加えるなど、ていねいな記述を心がけました。改正が業務に及ぼす影響に触れるなど、信託に携わる実務家の需要にも応える充実した内容です。複雑な信託の仕組みをときほぐすため、図表を盛り込み、ビジュアルに理解することができます。
目次
1 信託とは何か
2 信託の設定
3 信託財産
4 受託者による取引のメカニズム
5 受託者の義務と責任
6 受益者の地位
7 さまざまな変更
8 信託の終了・清算・倒産
著者等紹介
道垣内弘人[ドウガウチヒロト]
1959年岡山県生まれ。1982年東京大学法学部卒業。東京大学大学院法学政治学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あすなろ
55
仕事上、急速に知識整理したくAmazonで緊急に取り寄せ打ち合わせ前の新幹線内で読了。信託ってかなり以前から信託銀行との取引やらその他で部分的知識はあれと、信託受益権ってそもそもどういう概念で形作られるとか明確に知らなく、手っ取り早く勉強になった一冊。結果、その後の打ち合わせでとても有用な知識となった。だって、誰もここの基礎知識の紹介・プレゼン・打ち合わせから入らないから。しかし、これ、結構体系・整理付け出来てない一般会社の実務家は多いのではなかろうか。2018/11/11
nekozuki
7
とりあえず信託法がどういう法律であるかをつかむには良い本。実際に、研究したり実務で利用する人たちはさらに詳しい本が必要。「信託」というもの自体に対し、相続時の節税が出来るもの程度にしか知識がなかったので、信託法の汎用性に驚いている。2015/05/03
リョウ
6
改正信託法の基本的な部分についてわかりやすく解説されている。部分部分が問題になるとしても、最初に信託法の全体像を大まかにでもつかんでおいた方がいいので、このような本で簡単につかむことができるのは有益。2015/03/18
荻野光希
3
業務の復習のために読了。本書は信託の基本的な機能と登場人物、財産の移転とそれに伴う受託者の責任などについて網羅的に解説された本です。「入門」とあるものの、図が少なく専門用語が多かったり、基本的な解説の後にそのまま応用問題を考察してしまっていたり、どちらかといえば法学部の学生や実務担当者向きの本です。個別の信託商品(投資信託、公益信託など)や信託会計の解説は無いので、それらについては別途書籍を読む必要があります。2019/07/28
Defricheur
3
書名通り,信託法のまさに入門と言える。信託とは何かという解説から,条文を明快に紐解いていく。論点の解説は最小限にとどめ,実務での信託の姿を描こうとしている点で最初の一冊にふさわしいはず。ただ,総論から各論への運びや,条文の趣旨・意義から説き起こすといった伝統的な法学書のスタイルになじみがなければ,少し読みづらさを感じるかもしれない。2017/02/16