内容説明
有効に機能し、生産性が高い組織に共通する仕組み(論理)を理解することが、組織を作り出すためのはじめの一歩である。組織デザインの原則を理解すれば、現在の組織の問題点も見えてくる。本書では、組織をデザインする際、カギとなる要素として、仕事をどのように分業、調整するかに注目し、解説する。
目次
序章 組織デザインとは何か
1 組織形態の基本型
2 分業のタイプ
3 標準化を進める―事前の調整
4 作業の流れ―処理プロセスのスムーズな連動
5 ヒエラルキーのデザイン
6 水平関係とその他の追加的措置
終章 結びに代えて
著者等紹介
沼上幹[ヌマガミツヨシ]
1960年静岡県生まれ。1988年一橋大学大学院商学研究科博士課程修了。成城大学経済学部専任講師。1991年一橋大学商学部産業経営研究所専任講師。現在、一橋大学大学院商学研究科教授。『液晶ディスプレイの技術革新史』(白桃書房、日経・経済図書文化賞・毎日新聞社エコノミスト賞受賞、1999)などの著書がある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nekozuki
9
組織設計についてまともに考えたことがなかったが、現職でノウハウの共有や意思決定プロセスの不透明さが浮き彫りになっており、組織設計そのものを見直す必要があるのではと考え手に取った。 非常に参考になり、目から鱗の情報ばかりだった。標準化とヒエラルキーのバランスという観点は今まで自身の中にはない視点だった。 日本でよくある「出向(短期間のみ別組織に移ること)」が組織の意思決定上どのように影響し、組織設計でどのように対処すべきかと言ったことも知りたいところ。2021/09/09
クレストン
6
経営組織論、経営戦略論が専門の方による経営組織論の本。2004年ごろの本であるが、この経営組織論で新書版1冊になっているのは当時やそして今でも珍しいような気がする。前半は基本的なタイプを提示して、中盤以降はそのタイプを考察したり様々なモデルを紹介したりする。個人的には途中からかなり込み入った説明になって難しくなり、ついていけなくなった。ただ、この価格・サイズでかなり理論的な展開をしているのは評価される点だと思う。多少経営学をかじった人にはいいかもしれない。2023/02/08
コジターレ
6
知らない言葉やイメージがわかない言葉が多く、途中で挫折。この分野の知識を得てから再度チャレンジしようと思う。2017/03/18
Yambeee
5
「組織を設計する」というのは「分業」と「調整」の工夫を施すこと。個人の能力や主体性が重視されるVCにおいて、いかに組織戦で戦うのかという点で示唆に富む本。2023/05/01
ちくわ
4
組織論の名著と呼ばれる本とのことなので読んでみる。本書全体を貫く視点としては、「分業」と「調整」という大きな2つの観点があげられる。この切り口から、現状で多く見られる組織構造を説明し、また、それぞれで生じるメリット・デメリットを整理している点は非常にわかりやすい。具体的なケースをもって説明するタイプの本ではなく、理論的な見地から組織構造の原理原則を述べる本である。この切り口で自社のケースを分析していくと非常に良いと思う。抽象的で哲学的な組織論とは一味違う本となっている。これは非常に良い本だと思う。2022/12/21
-
- 和書
- 夜を抱く