出版社内容情報
世界を揺るがすIT(情報技術)革命。ITは日本経済をどう変えるのか? 本書は、アメリカ経済の経験を踏まえて、IT時代の経済のメカニズムを、企業経営、雇用など様々な視点から、わかりやすく解説する。
詳しい目次
プロローグ IT革命をどう捉えるか
チャート(全体の流れとポイント)
(1)90年代に何が起きたのか
(2)市場化の力学が企業と制度を変える
(3)IT時代はどんな経済か
I ITはアメリカ経済をどう変えたか
チャート
1 ITが生み出した好況
(1)かつてないロング・ブーム
(2)将来につながる投資
(3)主役はIT投資
(4)物価安定と失業率低下の両立
2 花開く情報技術
(1)予想に反する小型化の歴史
(2)素人にも使えるコンピュータ
(3)通信とコンピュータの融合
(4)インターネットは平和の配当
3 コンピュータが仕事を奪う?
(1)古くて新しい、技術と雇用の問題
(2)ITはホワイトカラーを直撃
Coffee Break 日本のIT投資
Coffee Break アメリカの繁栄は永遠か
II 市場と企業へのインパクト
チャート
1 市場メカニズムと情報
(1)カギを握るのは情報
(2)市場で必要な取引費用
2 市場でなぜ企業がうまれるのか
(1)自由な世界と管理された世界
(2)組織化のデメリット
3 企業の分担と合併が活発な理由
(1)ITで個人に広がる可能性
(2)内部の効率化で巨大化も
(3)縮小する内部取引の領域
(4)ITで生まれる市場化の力学
用語解説 完全競争市場の条件
Coffee Break ロナルド・コースと「企業の本質」
III ITが雇用を変える
チャート
1 労働市場で何が起きたか
(1)雇用なき回復
(2)仕事をあきらめた中高年男性
2 ダウンサイジングの時代
(1)古い労働の消滅と新しい技術への適応
(2)解雇と採用の同時進行
3 技術の変化にどう対応するか
(1)労働市場とつながる教育市場
(2)所得格差と失業増加はなぜ起きるのか
(3)どうして失業率は低下したか
4 市場でよみがえるホワイトカラー
(1)ホワイトカラーの新しい舞台
(2)問われる市場価値
(3)技術と雇用の3つの時間軸
Coffee Break 強者の論理だけではないアメリカ社会
Coffee Break アメリカ流が日本でうまくいくのか
IV 企業改革と制度改革の論理
チャート
1 リエンジニアの真実
(1)仕事をゼロから見直す
(2)分業のメリットとコミュニケーション・ロス
(3)日本の強みとアメリカの弱点が逆転
(4)リストラとリエンジニアはどう違うか
2 ネットワークの経済性を活かす
(1)組織の内と外で2つの経済性
(2)範囲の経済性と特徴
(3)ネットワークの経済性の特徴
3 わき起こる制度改革
(1)制度で成り立つ市場
(2)求められる制度費用の引き下げ
(3)市場化が要求する司法改革
(4)制度は市場経済のソフトなインフラ
Coffee Break 効果のない仕事を効率化する失敗
Coffee Break 多訴訟社会と訴訟もできない社会
V IT革命を活かす経済のシステムとは
チャート
1 代替取引がイノベーションを生み出す
(1)チャンスを活かせないという費用
(2)固定的な関係がもたらす費用
(3)景気循環を超えるイノベーションの波
(4)袋小路を回避するコンテスタビリティ
2 拡大する経済のフロンティア
(1)生産可能曲線と技術革新
(2)ダブルで拡大する通信産業
(3)リスクと不確実性
3 革新を実現する金融の重要性
(1)アイデアを現実にする資金の提供
(2)金融は経済のかなめ
(3)金融が機能しない2つの不幸
4 リスク・マネーの担い手
(1)将来の価値をどう判断するか
(2)リスク・マネーの2面性
(3)ベンチャー・キャピタルの役割
用語解説 コンドラチェフ・サイクル
Coffee Break 日本的取引慣行の長所と短所
終章 IT時代をどう展望するか
チャート
1 IT経済の構図をえがく
(1)マクロ的な特徴
(2)ミクロ的な特徴
(3)制度問題と雇用問題
2 逆転する企業の競争優位
(1)経営で重要なのは希少性の制御
(2)変わる競争優位の軸足
(3)可能性の大きなB2B市場
3 イノベーション時代の政策像
(1)クリントン政権のIT政策
(2)フロンティア拡大の誘因
(3)機会の提供とセイフティ・ネット
Coffee Break 情報ハイウェイ構想
Coffee Break ITと地域の活性化
あとがき
内容説明
“新しい”経済の発想が身に付く!ITで日本経済が復活するってホント?失業が増えるの?アメリカ経済復活の秘密を解明し、市場、企業、政府の新しい関係と役割をわかりやすく解説。
目次
1 ITはアメリカ経済をどう変えたか
2 市場と企業へのインパクト
3 ITが雇用を変える
4 企業改革と制度改革の論理
5 IT革命を活かす経済システムとは
終章 IT時代をどう展望するか
著者等紹介
篠崎彰彦[シノザキアキヒコ]
1961年長崎県生まれ。1984年九州大学経済学部卒業。同年日本開発銀行(現日本政策投資銀行)入行。経済企画庁調査局派遣、ニューヨーク駐在員、調査部調査役、国際部調査役を経て、1999年九州大学経済学部助教授。現在九州大学大学院経済学研究院助教授(専門:国際企業経済)。著書・論文に『情報革命の構図』東洋経済新報社(第15回テレコム社会科学賞、第1回毎日新聞社フジタ未来経営賞・経済賞)、『日本経済のグローバル化』東洋経済新報社(共著、平成10年度貿易奨励会優秀賞)、“An Empirical Analysis of Information-related Investment in Japan and Its Impact on the Japanese Economy”,Full paper for the session:The Information Technology Revolution, American Economic Association, 2000 Boston Annual Meeting January 7th 2000
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