震災と心のケア―子どもの心の傷がＰＴＳＤになる前に

石崎 朝世【監修】/片山 和子/湯汲 英史【共著】

日東書院本社（2011/07発売）

• サイズ B6判／ページ数 222p／高さ 19cm
• 商品コード 9784528016972
• NDC分類 493.937
• Cコード C2047

内容説明

災害によって子どもがＰＴＳＤ（心的外傷後ストレス障害）の病気になることが懸念されるが、適切な心のケアや日頃の子育て力によって、心の傷はかなり軽減することができる。本書では小児科医、言語聴覚士、心理相談員として子どもの医療と発達教育に関わる三人の著者が災害に遭った子どもとどう向き合ったらよいかをＱ＆Ａ方式で具体的に解説していく。

目次

０章　災害を受けると、子どもはどうなる？（災害の影響を受けた子どもに現れやすい症状と対処の原則；メディアの過剰な情報により不安を増強させないように気をつける　ほか）
１章　親が子にしてあげられる心のケアＱ＆Ａ（子どもが、「地震ごっこ」「津波ごっこ」をして遊ぶのですが、とても不安です。；子どもが地震の絵を描いていて、心配になってきました。　ほか）
２章　メンタルヘルスのプロット（震災後の子どもの訴え；子どもの特有の認知　ほか）
３章　災害とＰＴＳＤの基本知識（災害と災害の救援について；被災者の心の救済―地域の絆、人の絆　ほか）
４章　災害と心の基本知識（恐怖に晒された子どもの行動；ストレス反応は、生命を脅かされると起こる　ほか）

著者等紹介

石崎朝世［イシザキアサヨ］
医学博士、小児科専門医、小児神経専門医。東京医科歯科大学医学部卒業。（社）発達協会王子クリニック院長、（社）発達協会理事、（社福）あけぼの福祉会理事長

片山和子［カタヤマカズコ］
家庭相談員、心理相談員、保育園巡回指導員。元法務省矯正局女子少年院法務教官。津田塾大学学芸部英文科卒業。京都大学教育学部心理学聴講（河合隼雄ゼミ）。東洋大学大学院後期博士課程満期退学

湯汲英史［ユクミエイシ］
言語聴覚士、社会福祉士、精神保健福祉士。（社）発達協会常務理事。早稲田大学教育学部非常勤講師。早稲田大学第一文学部心理学専攻卒業（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[KASAO]

震災が子どもに及ぼす精神的影響について知りたくて読みました。ＰＴＳＤ（心的外傷後ストレス障害）かどうかは分からないにしろ、子どもに不安を覚えているような兆候あるならば、大人がそれを受け止めてあげることが必要。子どもの安心できる環境造りや温かい保護者の言葉が彼らへの一番のケアになるみたいです。全体的に読みやすい本でした。ところどころに挟まれている絵葉書調の絵にほんわかかつしんみりさせられつつ読了。自分にこれから子どもが出来て、こういう境遇になったらどう向き合うだろう、とも読んでいて考えさせられました。

2012/10/17

[n.s.]

機内乗務員の研修で、「生きるか死ぬかの事故が起こって、緊急放送と共に酸素マスクが降りてきました。誰からマスクを着用させますか？」というものがあるそうで。1.介護の必要な高齢者2.車椅子の人3.乳幼児連れの親子4.妊娠中の女性さて、正解は…

2014/07/02

[犬好き 悠々]

災害や事件によるPTSDは、当人の人生を狂わせるような危険な存在である。しかし、PTSD本人の記憶を消すことは不可能であり自力で克服するしかないように思われた。だが、小児科や精神科の力は大きい。個人でPTSDを解決するのではなくグループで対応しよう。勇気づける事が重要だ。

2020/03/22