内容説明
大量生産・使い捨ての時代から、良い製品を長く大事に使っていく時代に変わりつつある今、長く使用できる日本の工業製品は大きな強みをもちます。近代以前からモノを長もちさせる技術を追及してきた歴史がその背景にあります。
目次
第1章 日本の工業製品の強みは長もちにある
第2章 伝統工芸に隠された長もちの科学
第3章 金属の長もち
第4章 インフラ設備の長もち
第5章 用途に合わせてゴムも長もち
第6章 こんなところにリユース、リサイクルされた工業製品
第7章 機能性のある優れものの部材を長もちさせる
第8章 長もちさせるための健康診断「非破壊検査法」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
4
2015年刊行。京都工芸繊維大学 長もちの科学研究センター(2010〜)編。樹脂やゴムなど工業製品全般の長期劣化機構機構を解明し、促進試験方法をJIS規格などに盛り込んだりする▲手編みの金網は減っている。機械編みは平面のみであり、立体的な金網は手編みするしかない▲日本の特許第1号は軍艦の防食用塗料に関するもの▲古い下水管は鉄筋コンクリ。取り替えは事実上不可能なので、塩ビ樹脂の帯を菅に入れ、機械で菅の内側をぐるぐる巻きにして更生菅を作る▲かつてガス管、水道管は鉄やコンクリだったが、いまはポリエチレン菅。2017/07/30
satochan
1
地中に埋めるようなものは、原材料の単価云々以前に、もう一度取り出してなにかするということはとても大変になる。埋める前に様々な技術を施してあげることで結局は全体のコストを下げることにつながる。潮風にあたるものは塩の影響が出ないようにしなければならない。鉄がさびないように、途中でひび割れないように、ゴムが劣化しないように、そういうのを全部考えて物は作られる。ずっとそこにあるのには理由がある。ただ作ればいいってもんじゃない。どうすれば長持ちするのか、デザインのときにも全部考慮に入れることが大事だと改めて思った。2017/07/31
ととむ
0
下水管の延命措置が面白い2016/01/10
くらーく
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日本の強みだね。この強みをグローバルに使えるようにして欲しいね。ガスメータの故障率の低さが参考になるんじゃないかねえ。ソフトウェアの世界では、実践されているのにねえ。自動車も家電も産業機械なんかも、考えているだろうね。2015/11/14
古青
0
改めて日本の技術は素晴らしいと思いました。全てを手で作っていた時代の職人的な技術や考えが、現代の先進技術の基本となってる事にオドロキです。千年企業が在るのは日本だけなんでしょうか。劇的にあらゆる物が長持ちする時代になりましたが、もっと物を大事にしようと思いました。2015/10/18