100事例でわかる機械部品の疲労破壊・破断面の見方

100事例でわかる機械部品の疲労破壊・破断面の見方

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  • サイズ A5判/ページ数 248p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784526048609
  • NDC分類 531.1
  • Cコード C3053

出版社内容情報

ま え が き
 機械部品や搬送用部品、電化製品、構造物など、人類が関与するすべての製造物においては、1時間でも、1日でも、極端にいえば1秒でも長持ちするように設計されている。ところが思いも寄らない場所で、考えもしなかった時期に壊されてしまい使用に耐えられなくなってしまう。時には社会問題になるようなこともある。本来はこのような事故は起きてはならないものである。
 しかしながら、大きい小さいにかかわらず現実的には破損したり、破壊したりする事故は非常に多い。設計者はこのような時、使用条件を的確に把握し、原点に立ち返って制作図面から材料強度を含めた使用材料の問題、使用環境の問題など材料力学的、金属組織学的、物理的、化学的見地から検討を加え、最終的にはシュミレーションを行って再発防止をし、かつ長寿命化を図っているのが通常である。
 しかしながら、それには時間と費用がかかり、必要とは思いながらも現実的には行われていない。本書はこのような設計者のために、特に機械部品の疲労破壊破面について、簡便的な破壊原因調査の仕方、再発防止対策、長寿命化を目的に執筆したものである。
 つまり、第1部では破損したり、破壊した場合の簡便的な破断面の見方(作用した負荷応力の種類、き裂発生起点、き裂進展方向など)、チェックポイントなどをフラクトグラフィ的にマクロ・ミクロ的にやさしく解説した。さらに第2部では著者が長年にわたって調査した事例の中で、職務上すでに時効になったもの、また、さらに快く掲載を承諾いただいた数多くの事例の中から、比較的興味深い破損・破壊事例を100 件選び、材質、熱処理、破損状況、マクロ的、ミクロ的な破断面、金属組織、若干の対策方法などを述べている。本書がこれから破面解析を行う設計者、技術者にとって少しでもお役に立てば幸いだと考えている。本書は、「機械設計」誌に連載したものに大幅な加筆、修正を加えて単行本にしたものである。
 なお、本書では破壊力学や疲労き裂の発生機構、進展挙動など疲労に関する基礎的な事項については触れていない。さらに学問的に勉強される諸兄は他の専門書を参考にされたい。
また、本書の出版に当たっては多くの方々の好意により資料を提供していただいた。感謝申し上げるとともに日刊工業新聞社出版局の書籍編集部並びに「機械設計」編集部の皆様にも大変お世話になった。この場を借りて厚くお礼を申し上げたい。

2001年12月  藤木 榮


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まえがき

内容説明

本書は、特に機械部品の疲労破壊破面について、簡便的な破壊原因調査の仕方、再発防止対策、長寿命化を目的に執筆したものである。

目次

第1部 解説編―機械部品における疲労破壊破面のやさしい見方(破壊の原因および種類と負荷応力形態;事故品の調査方法;マクロ的な破面観察;ミクロ的な破面観察;破断面の保存の仕方)
第2部 事例編―疲労破壊破面の事例(小型モータ軸の疲労破面;締結用レンチの疲労破面;コイルばねの疲労破面;パンチ錠の疲労破面 ほか)

著者等紹介

藤木栄[フジキサカエ]
1939年群馬県生まれ。1958年前橋工業高等専門学校金属工学科卒業。1960年東京都立工業奨励館材料部。1970年東京都立工業技術センター主任研究員。1996年東京都立産業技術研究所主任研究員。2000年東京都城南地域中小企業振興センター、現在に至る。東京都技術アドバイザー、埼玉県技術アドバイザー、NEDO省エネルギーアドバイザー
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